(見出しとリードの「東証」を「JPX総研」に訂正します。また、発表者側の訂正により、9段落目の業種内から「鉄鋼」を削除します。)

[東京 26日 ロイター] - 日本取引所グループのJPX総研(訂正)は26日、東証プライム市場の時価総額上位銘柄を対象にした新指数「JPXプライム150指数」の算出ルールと構成銘柄のリストを公表した。資本収益性と市場評価の2つの観点から、価値創造が推定される日本を代表する企業として選び出し、指数化する。一方、日本を代表する企業とされるトヨタ自動車は、構成銘柄に選ばれなかった。

新指数は、基準日のプライム市場での時価総額500社を抽出した上で「エクイティ・スプレッド基準」と「株価純資産倍率(PBR)基準」に基づいて、それぞれ75社を選定し、計150銘柄を構成銘柄とする。

東証は「日本を代表する価値創造企業を『見える化』し、指数や構成銘柄が投資対象となることで、価値創造経営の浸透、日本株市場の魅力向上への寄与を目指す」と説明している。7月3日からリアルタイムで算出・配信する予定。

エクイティ・スプレッドは、株主資本利益率(ROE)と株主資本コスト(投資社の期待リターン)の差で表される。当期と一期前の推定エクイティ・スプレッドが正の値でROEが8%を超える銘柄の上位75銘柄がこの基準で選ばれる。

一方、PBR基準では、エクイティ・スプレッド基準で選ばれた銘柄を除いて、当期のPBRと、当期と一期前のPBRの平均値がいずれも1倍超の銘柄のうち、上場時価総額上位75銘柄を選ぶ。

<代表的銘柄でも選ばれず>

構成銘柄には、ファーストリテイリングや東京エレクトロン、ソニーグループなどが選ばれた一方、トヨタやホンダ、ソフトバンクグループなどは選ばれなかった。

事前の市場予想ではPBRが1倍を下回るトヨタなども含むとの見方もあったが「日本を代表する銘柄でも対象から外れたことは、指数の透明性が担保される」と、ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストは指摘している。一方、「株主資本コストは本来、個別企業ごとに異なる。ROE8%超を一律で適用するのには疑問が残る」とも話しており、先行きの指数の見直しに期待を示した。

個別銘柄のウエート上位(16日時点)は、ソニーGの5.6%、キーエンスの4.2%、NTTの3.3、第一三共の2.6%、武田薬品工業の2.5%などとなっている。

業種別では、TOPIXに比べ、電気機器や医薬品、情報通信のウエートが高い一方、輸送用機器、不動産などは低い。採用銘柄のない業種は、水産・農林、鉱業、金属製品、パルプ・紙、非鉄金属、銀行、証券、倉庫・運用関連、電気・ガス。

定期入れ替えは年1回、8月の最終営業日に行う。23年8月は実施せず、初回は24年8月となる。