2023/3/24

【秘話】あの大企業が復活して「給与アップ」を果たすまで

AGCという会社をご存じだろうか。2017年に旧社名の旭硝子から社名変更をした、ガラスを強みとする化学品企業だ。
直近の売上高は2兆359億円、営業利益は1839億円(2022年12月期)。営業利益率9%は、日本の製造業の中でも高水準で、ここ数年は株価も右肩上がりだ。
今年は、昨年に続いて2年連続で6%程度の賃上げを発表しており、投資家にも従業員にもしっかりと還元をしている。
ところが、過去には2度の危機に直面してきた。バブル崩壊で業績が悪化し、2010年代にも液晶ガラスの不振に苦しんだ。
そこから、いかにして復活しステークホルダーへの還元に至ったのか。
AGCの軌跡は、他の日本の大企業の参考にもなるだろう。継続的な成長と健全な賃上げへのヒントが隠れているからだ。
苦闘の30年の裏側を、平井良典社長へのインタビューでお届けする。
INDEX
  • ①守るのではなく「変わる」のだ
  • ②日本が「縮こまってしまった」理由
  • ③変化につながった「2度の危機」
  • ④稼いだお金はどう使う?
  • ⑤賃上げは「持続性」が大切

①守るのではなく「変わる」のだ