JR東日本、突然にSuica未使用残高を「利益」計上→黒字転換し物議…苦肉の策か
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ルールに準拠した取り扱いであれば是非もないが、であればなおのこと自ら分かりやすく開示すべきだったのではないか?JR東日本の取締役会はどのような議論をし、少数株主のためにどのような判断をしたか、ガバナンスの観点から確認してみたい。
交通カードの未使用クレジットに関してはロンドンのオイスターカードの例を思い出しました。
Oyster card: The growing fortune that remains unclaimed
https://www.bbc.com/news/uk-england-london-50304437
ロンドンの地下鉄やバスを運営するロンドン交通局TfLはオイスターカードというプリペイド式の交通カードを発行しています。
オイスターカードは現在利用が減少しておりクレカやデビットカードを用いたオープンループ決済にどんどん置き換えられているのですが、それでも記事の2019年の時点で合計4億ポンドのデポジット(一枚5ポンド)と未使用のクレジットがあり、TfLはこれから発生する金利収入を得ているそうです。
ちなみに4億ポンドの半分以上はチャージされたクレジットではなく、カードを返却すると返金されるデポジット。JR東のSuicaも似たようなものではないでしょうか。
返却されず未使用のオイスターカードが多数残る理由として、旅行者が持ち帰ったカードなど国外に散らばっているカードがあることや(自分も一枚持ってるなぁ)、そもそもクレジットの平均残高が3.46ポンドと手間暇かけて返金処理する価値がないとも思われている可能性も挙げています。
またTfLが使わないオイスターカードを投函できるチャリティー箱を設けて慈善事業に活用している例は上手いと思いました。JR東もこれをやってみると面白いと思います(デポ500円+未使用チャージ額分の寄付になる)。会計的な正しさや説明責任はさておき、「一度しか使えない切り札」を使うほど追い詰められてるのか、と感じました。
今までの負債計上分を一気に営業利益にしたらそりゃ今回は黒字転換するでしょうけど、溜め込んでたカネ(会計上は負債ですけど)を放出しちゃった今、今後はその年に利用者がチャージした未使用残額だけが利益計上されるわけですよね。
来年以降はこの効果は激減するはずで、一過性の黒字としか見なされないのでは。
この記事では、これは銀行対策という趣旨でしたが、銀行さんだって「実際には本業が改善したわけじゃない」って丸わかりでしょう。それでもこれでいいんだったら、銀行側の債権管理区分の判断基準にも問題がありそうです。