2022/10/28

【緊急解説】なぜ今、GAFAMの決算が「ショック」なのか

平岡 乾

NewsPicks ジャーナリスト

マイクロソフト、グーグルの運営会社アルファベット、フェイスブックの運営会社メタ・プラットフォームズが決算発表しました。

各社とも売上高は伸び悩み、利益は減少しました。業績が市場予測ほど伸びなかったこともあり、株価も下落となりました。

もっとも、マイクロソフトなどの業績はそこまで悪くありません。

にもかかわらず、決算を受けて「景気後退の前触れ」とまで言われ、他業界でも業績悪化の懸念が出ています。

Jackyenjoyphotography/Getty Images

そこで今回は、ビッグテックの決算が、世界の景気や他の産業とどのように結びついているのかを解説します。

このようにして決算をマクロ経済と紐づけることは、まさに定量情報と定性情報を組み合わせる世界。それができれば、決算ニュースがさらに面白くなります。

INDEX

• メタは純利益、半減
• 広告は「カナリア」
• 30%成長がけん引
• 景気は「連鎖反応」だ
• 業績急落でも、成長へアクセル
• 注目は怯まない赤字

コメント

選択しているユーザー

• Koji A

  資産運用会社のCEO

  ・2022年10月29日

  売上高の基盤である広告収入の減少と、その結果としての設備投資の減少が、景気の悪化につながるという分析はまさにその通りだと思います。

注目のコメント

• 清水 勝彦

  慶應ビジネススクール 教授

  ・2022年10月28日

  日本の半導体業界が韓国に負けたのは、景気のサイクルいわゆるシリコンサイクルで底のときに投資できず、ピークの時に一気にシェアを取られてしまったことが大きな原因の1つです。サイクルの周期や底を予測することは難しいですが、「好調でお金が余っているから」ではなく「苦しいが将来するべきだから」する投資こそが本当の戦略的な先行投資と言えると思います。
• 蛯原 健

  リブライトパートナーズ 代表パートナー

  ・2022年10月28日

  フェアな良まとめだと思います。
  ただ1点、ドル独歩高による減収影響について言及が欲しかった。今回のビッグテックの決算において最も大きな要因がそれだからだ。MSなどはわざわざIRの冒頭にでかでかと為替影響を除いた増減率を記載していた。これがなかりせば各社決算はもっと良かった。特にAlphabet/Googleはそうだろう。
  
  なお、広告事業が炭鉱のカナリアという言い方を最近散見するが、一般論としてはあまりそう言わないと思う。広告は先行するのではなく、本稿で引用されているAlphabet CFOの言の通り景気・経済と完全相関である。よく市場の炭鉱のカナリアといわれるのはクレジット市場、金、テック株全般、等々だろう。
• 平岡 乾

  NewsPicks ジャーナリスト

  ・2022年10月28日

  毎回、やって損はないこと。
  それは、手を動かしてみることです。
  
  もちろん決算情報を鵜呑みにするのではなく、ただ、元資料を眺めるものでもありません。注目する指標があれば、少なくとも過去4、5年にわたってその指標をグラフ化してみることです。
  
  そうしてみると、投資が伸び悩んでいたり、研究開発費を安定した拡大をしていたりします。また、一時は落ち込んでいても、10年単位で伸びていることも。
  
  もう一点。
  個人も企業も、一時は伸び悩んでいても、投資を怠らない人が、10年単位で伸びる。そう思っています。
  業績が伸び悩んでいる企業には、ネガティブな情報が集まってしまっていますが、それでも投資に踏み込んでいる企業には、もっと光を当てたいと思いました。