2022/5/24
【解説】株価急落でも強気な支出。ビッグテック5社の拡大戦略
INDEX
- 雇用の拡大に賃上げも
- 不況は格好の買収チャンス
- 巨大企業はますます巨大に
- メタとアマゾンは慎重姿勢
- 不況時にリスクを取れる強み
- 懸念は「他社の巻き添え」
- ビッグテック規制の影響は
雇用の拡大に賃上げも
アップル、アマゾン、マイクロソフト、メタ(フェイスブックの親会社)、アルファベット(グーグルの親会社)──いわゆるビッグテック5社は、今年これまでに2兆7000億ドルの価値を失い、英国の年間GDPに匹敵する損失を出している。
株式市場における、これほどの大打撃に対して各社はどのように反応したか?
マイクロソフトは社員のボーナスプールを2倍にした。グーグルはエンジニアの雇用を増やすことを約束。アップルはハードウェア部門のトップ人材に20万ドルのボーナスを上乗せした。
株式市場のパニックに対して、不釣り合いにも見えるこの平静ぶりは、各社がそれぞれの領域でますますリードを広げる時期の到来を予見させるものだと、アナリスト、投資家、エコノミストらはみている。
ビッグテック各社の強気な姿勢は、SNS、高級スマートフォン、Eコマース、クラウドコンピューティング、検索エンジンほか、世界で最も収益性の高いビジネスのいくつかを手中に収めているという、彼らの自信を反映したものだ。
これらの分野での優位性と、他の事業で築いた足場は、ウォルマートやターゲットなどの小売大手がインフレに見舞われ、株式市場が弱気相場に近づいているときでさえ、彼らをインフレの痛みから守ってくれるだろう。