2022/5/2

【異例】「一度辞めた」2人が新社長になったSOMPOの狙い

NewsPicks 編集部 記者・編集者
SOMPOホールディングスで、「異例」と言えるトップ人事が4月に実現してから、1カ月が経った。
新しいトップ人事では、大きな世代変更があった。
グループ全体を統括するSOMPOホールディングスでは、執行役専務だった奥村幹夫氏(56)が社長兼COO(最高執行責任者)に就任。
そして、傘下の中核企業である損害保険国内大手・損害保険ジャパンは、同社で取締役常務執行役員だった白川儀一氏(51)が社長に就任した。
その一方で、SOMPOホールディングスの社長CEO(最高経営責任者)だった櫻田謙悟氏(66)がCEOを続けながら、社長から会長へと肩書を変えた(下図)。
新しく社長となった奥村氏と白川氏に共通する大きなポイントは、それぞれ40代と30代に退職した経験があることだ。
子会社や関連会社への出向ではなく、自らの道を歩くために一度退職した人物である。
日本の大企業では、プロパー社員が社長まで上り詰めるケースが多い中、SOMPOが一度は自社を離れた経験のある2人を社長に選んだことは、意義深いだろう。
新しいSOMPOは、これからどこへ向かおうとしているのか。そして、2人の新社長は何を変えようとしているのか。
NewsPicks編集部による単独インタビューに応じた二人の発言から読み解いていく。
INDEX
  • 投資銀行に転職した奥村社長COO
  • 「テニス」で退職した白川社長
  • 淘汰される「恐怖心」を持つ
  • 5万3000の代理店とともに変わる
  • 日本の大企業は変われるか

投資銀行に転職した奥村社長COO

SOMPOホールディングスで4月から社長COOとなった奥村氏は、1965年生まれの56歳。1989年に安田火災海上保険(現在の損害保険ジャパン)に入社した。
奥村氏が退職したのは、2006年。41歳になる歳だった。