EV販売好調の中国BYD、純利益が前年比300%増の見通し
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BYDは先日テスラもCATLから採用したLFPという正極材料を使ったバッテリーを一貫して生産してきました。三元系のNMCも生産してますが、今後BYDのEVはLFPのブレード(刀)型バッテリーに統一すると言ってます。
なぜLFPが再び日の目を見たかというと、ニッケルやコバルトの資源価格の問題が挙げられます。少々の容量不足や低温動作の問題に目をつぶっても、EVに占めるバッテリー価格を下げるためには、正極材を見直さざるを得なくなったということです。
また最近の三元系のハイ・ニッケル化の影響でNMCが燃えていることも、LFPに回帰している一つの理由と言えます。そこでBYDは徹底的にブレードバッテリーの試験をしました。LFPの特許は22年で切れますが、構造も含めて従来のLFPよりは進化しており、鉄を他の遷移金属元素に置換することで性能向上を図っているメーカーもいます。
課題があるとすれば、刀型という独自の形状にしたことが挙げられますが、現在バッテリーのセル形状はテスラの4680のような円筒形の大型化やバッテリー・パックに合わせた形状にするCell To Pack(CATLの取り組み)が進められているので、18650のような互換性がEVについては無くなり競争状況となっている点でしょう。
材料は同じでも構造が異なれば、EVに載せたくても載せられません。この点、トヨタはBYDとも提携しているので、中国向けのトヨタ製EVにはブレード・バッテリーが搭載される可能性も考えられます。構造のデファクトがどう転ぶかも直近の電池業界では注目されるところかと思います。4680含め。
ところでBYDはバスやタクシーといったフリート向けに注力してきたことも有り、BYDのEVバスは京都などでも走ってます。LFPという資源価格に影響されない材料を用いたバッテリーを生産しつつ、需要が固いと思われるフリート向けにEVを提供している点は、BYDの強みとも言えるでしょう。今年に入って、BYDの世界販売台数は、テスラを超えて1位です。
https://cleantechnica.com/2022/04/01/the-top-20-electric-cars-in-the-world-february-2022/