2021/12/12

【新規事業】僕が社内の「壁」を突破できた理由

大企業の新規事業について深堀りする12月のプロピッカー新書。
第2回目からは、実際に大企業で新規事業を発足させたキーパーソンに話を聞いていく。
今回、体験談を語ってくれたのは、スポーツ観戦プラットフォーム「SpoLive」を立ち上げた岩田裕平氏。NTTコミュニケーションズから出向する形でSpoLiveのCEOを務めている。
大企業で新規事業を立ち上げようとすると、独特の「壁」にぶち当たる。新規事業の経験が少ない企業ならば、それを乗り越えるのが難しくなる。
NTTコミュニケーションズでほとんど前例のない形で新規事業を立ち上げた岩田さんも、多くの壁にぶつかった。
それをどのように乗り越えたのか。リアルなエピソードを交えて話してもらった。

きっかけは社内コンテスト

──どんな新規事業に取り組んでいますか。
岩田 昨年設立したSpoLive Interactive株式会社の代表取締役CEO(最高経営責任者)を務めています。
会社のビジョンは「スポーツファンとアスリートやチームの距離をデジタルの力で縮める」。それに基づいて「SpoLive(スポライブ)」というスポーツ観戦プラットフォームを作っています。
一言でいうと、リモートで観戦しているファンの応援を競技団体に届けることができるサービスで、これまでリアルに依存していたスポーツシーンをデジタルにつなぐことを目指しています。
ラグビーやサッカーのリアルタイム速報を確認できたり、フォローしているチームのスタメン情報や選手のTipsを確認できたりします。試合の配信にとどまらず、ベンチ裏やロッカールームの状況が発信されることもあります。
ルールの解説機能、応援合戦のような機能など、初心者が気軽にスポーツ観戦を楽しめるような仕組みを整えています。
チームや競技団体側にもサービスを使うメリットがあります。広報活動などの業務を効率化しながら、イベント開催や選手情報の配信などで認知を拡大し、ファンエンゲージメントを高めることができます。
ギフティング機能を使って、ファンの声援を直接チームや選手に届けることも可能です。既存のSNSと連動させて、試合とは別のところで盛り上がれたりもします。
現在、国内ラグビー新リーグチームの6割超に使っていただいていて、イギリスのスポーツメディアで2021年のベストラグビーアプリに選定されたこともあり、海外ユーザーも増えてきているところです。
──SpoLiveを新規事業として立ち上げたきっかけは。
2018年に、社内コンテストでSpoLiveの前身になるサービスを発表してグランプリをとったことがきっかけでした。