アフガニスタン爆発 死者85人に タリバン戦闘員28人含む
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（追記）日本時間の27日午後10時の時点で確認されている死者は、170人です。
大部分の死者、負傷者は、アフガニスタン人で、ムスリムですが、イスラーム国は同じムスリムを殺すのかというと、殺します。より正確にいうと、同じムスリムとは考えていません。イスラーム国は、ターリバーンはムスリムではないと宣言しています。攻撃の対象としては、
① 米軍：異教徒の侵略者なので殺す。
② 一般のアフガニスタン人：イスラーム国に忠誠を誓っていないムスリムなので、反逆者である。殺してもよい。
③ ターリバーン：イスラーム国を滅ぼそうとする最悪の反逆者なので、米軍よりも悪質である。最優先で殺す。
ということになっています。
なお、奇妙な主張ですが、イスラーム国にいわせると、ターリバーンは米国の手先です。異教徒の手先である以上、ムスリムではなくなった、という主張をしています。
似たような主張は、アル＝カーイダもしてきましたが、イスラーム国が特に迷惑がられているのは、一般のムスリムも、忠誠を誓っていない以上は反逆者扱いしてきて、巻き添えで殺すのも躊躇しないところです。
イスラーム国は、シリアやイラクでも同じような基準で自爆攻撃を繰り返してきましたが、これは、彼らの常用する自爆攻撃という、巻き添えの犠牲者が多数出る方法を正当化するために組み立てられた論理でもあります。
さすがにこの主張だと、支持が広がるとは考えにくいのですが、結構ひきつけられる人もいて、世界各地から人が集まってきます。さすがに、アフガニスタンの地域共同体で部族長老などの支持を得ることはできていません。アフガニスタンではせいぜい千人程度の集団ですが、基本的に自爆をためらわない人間ばかりなので、どこで事を起こすかわかりません。今回の事件の死者はアフガニスタン保健省の発表では85人で、うちアメリカ海兵隊員13人、タリバン兵士28人、民間人54人。
タリバンのスポークスマンによれば民間人の数は更に多く72人に上り、その他150人が負傷しだとのことです。
アメリカ軍が一回のテロで受けた損害としては、過去十年で最大のものです。
早々と要衝のバグラム空軍基地を手放し、結果として退路をカブール国際空港だけに絞って今回の惨事を招いたバイデン政権の責任問題が問われるのは避けられません。イスラーム国（IS）の動きがフォーカスされていますが、そのリスクについては5年以上前に、私がインタビューした高橋博史駐アフガニスタン日本大使（当時）が指摘されていました。下記のNewsPicksオリジナル記事をご覧ください。
日本大使が語る最新アフガン情勢
https://newspicks.com/news/1504699/
当時の「最新」ですが、現在のアフガン情勢をみるうえでも本質論が含まれています。かなりの初期から実務でアフガンと深く関係し、パキスタン等周辺国でも勤務経験があり、複数の現地語を使える外交官ならではの視点が入っています。
