【ダイキン会長】不透明な時代こそ、「年上の部下」を大切にせよ
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今回は、社内政治を繰り広げた揚げ句に赤字を出したころの話。コーポレート・ガバナンス時代の今であれば、企業価値を下げた戦犯として、当時の役員は「即、クビ!」となるでしょう。
ところが、ダイキンの哲学は「環境次第で、人は変わる」。それは、若手の社員であろうと、年配の役員であろうと同じ。
そして、自分にはない経験や知識を持っている人を「活かす」のがリーダーの役割であるなら、ひたすら先輩社員に「聞きまくる」。
必ずしも同じことの例えではないと思いますが、アメリカの鉄鋼王アンドリュー・カーネギーの石碑に「己よりも優れた人に囲まれる方法を知る男、ここに眠る」を思い起こしました。外部から社長が招聘される場合、アメリカでも側近を連れてくることが多く、内部の役員を使い切れない場合が多いといわれます。それができたのは井上社長の力量とダイキンの文化によるところが大きいのでしょう。聞き役に徹するということはできそうでできないものです。「7つの習慣」の1つは「Seek first to understand, then to be understood」です。
それにしても、山田社長の手書きのレターはすごい。これこそ「カリスマの研究」のほうで取り上げたらいいくらいだと思いました。利益は重要。ただつながっている事業の場合、利益だけだと事業の筋肉が弱くなることがある。一方、それを良いことに、事業に規律が効いていないこともある。また両方やることの意味が一定あっても、必ず一体ではないものもあり、ただそこに色々理由をつけて撤退ができないケースもある。
外部からは見え切れない部分だが、厳しさが必要な一方で、表層的な意思決定でもいけない。外部と内部で見え方や判断が違い、そのなかでうまくいくケースとうまくいかないケースは、こういうことの積み重ねが多い気がする。
『家庭用エアコンは総合電機メーカーとの過当競争が続き、利益を出しにくい状況でした。ただ、総合電機メーカーは得意の電子技術を真っ先に家庭用エアコンに取り入れて、革新を起こしてくることが予測されました。つまり、家庭用エアコンをやっていないと、技術的に取り残される可能性が高いということになります。』