原研哉が手掛けた中国家電メーカーのロゴのリニューアル その繊細な変化に騒つくネット民
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ラメ曲線は、一般的には超楕円(superellipse)とも呼ばれ、n→♾ならは長方形、n→0ならば十字に限りなく近づく、楕円やアステロイドを含む閉曲線で、縦横比が1:1の場合はフェルマー曲線の第一象限とみなすこともできる。
記事中の動画では、円から正方形と言っているが、それは2≦n<♾の範囲の話で、正確には1≦n <2の範囲では円が潰れていきn=1でひし形となり、nが1未満の場合は内側に凸な4つの曲線に囲まれた十字星形の様な形になる(n=2/3の時がアステロイド)。
iOSのアイコンの形は一見するとn=5のラメ曲線の様に見えるが、Continuous Corner Curveと呼ばれ、そんなに単純な式のデザインではない模様。
https://medium.com/eureka-engineering/continuous-corner-curve%E3%82%92%E8%87%AA%E4%BD%9C%E3%81%99%E3%82%8B-ff8144568752
なぜn=3のラメ曲線なのか、なぜ3.1ではないのか、なぜ物理的な意味のあるクロソイド曲線や、より数学的に洗練され一般化されたギーリス曲線(superformula)ではないのか、など、Appleのデザインばりに拘って欲しかったところ。
あるいは、この図形をルベーグ空間(Lp空間)における、2次元p-ノルムにおける単位円と位置付け、
「この世界にシャオミ独自のp=3のノルム(≒距離)を導入することで、ヒトやモノの関係性に新たな生命を吹き込むという事をイメージした」
なんてストーリーもいいかも。
どんなpの値のノルムを導入するかという問題は、データ間の関係性を分析したりなんらかの最適化を行うデータ解析の世界において極めて重要なものです。一般的にはL1(Lasso)かL2(Ridge)が使われる事が多く、p=3であるL3は殆ど使われませんが、だからこそあえての3なのかなと。
なんにせよ殆ど変わらないロゴに大金かけるのはよくある話。今回は額も安ければ、日本人だから叩かれるという話題性込みでコスパ良すぎる程。さすがとしか言いようがない。
注目のコメント
ロゴは大きく変えてしまうと、新しいロゴを定着させるために長い時間がかかる。どんなにお金と時間と知恵を絞っても、失敗することもある。JALが鶴丸に回帰したり、みずほ銀行が最初にものすごく時間とお金をかけて作ったロゴがすぐ使われなくなったり…なんといっても確実に定着し、長く使われることが大事だ。
またロゴはロゴひとつの問題ではなく、ブランドがどのようなシステムで運用されるべきか?多くの場合は大きなところではブランド戦略から細かいところでは名刺などのデザインも含めてパッケージで納品されるもので、ロゴ一個をポンと納品するものでもないですしね。
今回のデザインはしっかり経営陣が理念を理解してなされたものに見えるし、長く使われるだろう。よいブランドリニューアルをしているように思える。今までのロゴからもイメージを大きく変えずにスタイリッシュに使いやすい形になっているし、これだけ話題になったのであれば変更のキャンペーンとしても成功だろう。今後よいブラマネジメントが行われていけば最高だ。ブランドやデザインとはストーリーなので、見た目の色や形だけではありません。社長はもちろん、社員が自信を持って語れるデザインなのであればシャオミの売上から考えれば安いのかもしれないし、少なくともここまで話題になれば、短期的なROIとして悪くない
"これだけ騒動を起こして話題にするだけで200万元の価値はあった"新しいマークは、「かたち」ではなく、「性質」だと考えてみてほしいとは、原研哉さんのコメント。
くまもん、Oisix、茅乃舎などなど、ロゴだけでなく企業コミュニケーションのデザインを行う水野学さんは、クライアントに対するプレゼンを「研究発表」の場だと言いますね。
いわく、その企業やブランドの歴史を調べて考え抜けば、「これしかない」というデザインになるのだと。
だから、複数案提案することもないのだと。