2021/3/24

【必須教養】パナソニックで学ぶ「ファイナンス」思考

NewsPicks ジャーナリスト
巨大企業であるパナソニックについては、その株価だけではなく、売上高や利益率で「一喜一憂」することが多い。
しかし、売上高や利益率ばかりに目を奪われていたら、企業経営の本質を見失うというのは、今やビジネスの世界では「当たり前」である。
本当にウオッチすべきは、キャッシュフローなのだ。
NewsPicksは、勝っている企業と、負けている企業の違いを、キャッシュフローを通して、圧倒的にシンプルに見抜く「ファイナンス力」を伝授する。

 優良企業の証「ワニの口」

この10年、伸び悩んだパナソニックを尻目に、エアコン大手のダイキン、電子部品の村田製作所などは、業績を大きく伸ばし続けてきた。
同じ日本のものづくり企業にあり、工場を抱えるメーカーでもある。しかも、3社ともすべて長い歴史を持つ老舗である。
にもかかわらず、時価総額ではこの数年で、とてつもなく大きな差が開いている。
ダイキンと村田製作所には、ある大きな共通点がある。
お金を稼いでくる力ともいえる、「営業キャッシュフロー」を安定的に伸ばしている。そして、稼いだお金を、どんどんと新しい投資に回している状況といえる。
この正のスパイラルが10年間続くと、次のようなカタチが浮かび上がる。
それが「ワニの口」だ。
両社とも、稼ぐ力を高めていきながら、どんどん稼いだ分を投資に回す、美しいサイクルが描けているのが分かるだろう。
実はワニの口は、ものづくりにおける優良企業の「証」ともいえる。