(ブルームバーグ): 英金融行動監視機構(FCA)は5日、ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の公表を終了する時期を発表した。利用の多いドル建てLIBORの一部は2023年6月末まで維持するが、大半は今年末で公表を終了する。数十年にわたり国際金融システムの中心にあったLIBORの廃止が視野に入った。

FCAによると、ユーロと円、スイス・フラン、英ポンド建てのLIBORは今年末で公表終了。ドルは1週間物と2カ月物が21年末で終わるが、翌日物と1カ月、3カ月、6カ月、12カ月物は23年6月30日で廃止される。

LIBORはドル建ての指標だけでも約200兆ドル(約2京1678兆円)のデリバティブに利用されるなど、金融市場に深く根付いている。この廃止に備え、世界的な大手銀行の大半は1億ドル余りを準備に費やすとみられる。移行に取りかかったばかりのヘッジファンドや非金融企業など比較的規模の小さい企業の多くは、面倒な事態に追い込まれる可能性がある。

英イングランド銀行(中央銀行)のベイリー総裁は、LIBORは「最終章」に入ったとし、切り替えの遅れで言い訳は許されないと警告。「残り時間は限られている。企業に対するメッセージは明確だ。いま行動し、取引を完了させよ、ということだ」と述べた。

米国の担保付翌日物調達金利(SOFR)や日本のTONAR(東京翌日物平均金利)など、代替指標への切り替えは遅れているが、この日の発表で加速すると期待されている。

昨年12月にはLIBOR終了の発表時期を巡る臆測がユーロドル市場で乱高下を引き起こしたものの、5日の市場の反応は抑制されていた。ユーロドル2023年6月限と同年9月限のスプレッドは、1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)拡大しただけだった。

原題:Libor Moves to Its ‘Final Chapter’ as U.K. Sets End Dates (3)(抜粋)

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