【真相】なぜ、マイクロソフトは「カッコ悪い」のか

2018/10/24
次の1兆ドル企業は、この会社になるだろうーー。
アップルやアマゾンが時価総額1兆ドル(約110兆円)を達成し、未だに勢いが冷めやらぬ米テクノロジー企業たち。そして、次に仲間入りを果たすだろうと、米メディアで囁かれているのが、マイクロソフトだ。
創業者ビル・ゲイツの下で、この世の春を謳歌した後、長らく停滞期を過ごしていたマイクロソフトだが、2014年にサティア・ナデラがCEOに就任してから、脅威の復活を遂げているのは、NewsPicksでも特集した通り。
とはいえ、この企業には今をときめくテクノロジー企業の派手さはない。
むしろ、「マイクロソフトは一度たりとしてカッコよかったことはない」と、社長兼CLO(最高法務責任者)のブラッド・スミスは言い切る。そして、これは自虐ネタではなく、その「カッコ悪さ」にこそ、マイクロソフトの成長の本質があるという。
では、その成長の「本質」とは何なのか。マイクロソフトの歴史を知り尽くし、ナデラが一番頼りにする最高幹部であるスミスが、9月のイベント「Envision」で語った内容をお届けする。
マイクロソフトのブラッド・スミス社長(左)と、サティア・ナデラCEO(写真:David Ryder/Bloomberg via Getty Images)

何であり、何でないのか

スミス 4年半前、サティア・ナデラがCEOに就任したとき、我々は自分たちのビジネスモデルが一体何なのか、という根源に何度も立ち返りました。