なぜ巨額の赤字を垂れ流すのか。Uberの収益体質を読み解く
2016/3/14
これまでほとんど公開されることのなかったUberの収益状況だが、リーク資料などからおぼろげながらに姿が見えてきた。断片的な状況をつなぎ合わせると、どのようなストーリーが浮かぶのか。経済金融メディア「Longine」の泉田良輔アナリストがUberの収益体質と戦略を分析する。
取扱い上の注記
シェアリングエコノミーを語る際には、欠かすことのできない企業がUber(ウーバー)である。Lyft(リフト)などと並び、タクシーの配車アプリを提供する企業だ。
ウーバーは知名度が先行し、最近ではユニコーンバブル崩壊などの話も出てくるが、一時は投資家の間で評価されるバリュエーションが500億ドル(1ドル113円換算で約5兆6500億円、以下同レート)、2015年の営業収入の見通しは20億ドル(約2260億円)に達した(出典“Uber Bonds Term Sheet Reveals $470 Million in Operating Losses”、“Uber seen reaching $10.8 billion in bookings in 2015: fundraising presentation”)。
とはいえ日本から見ると、なぜベンチャー企業にそれほどの価値がつくのか見えてこない。またウーバーが企業としてどの程度業績が好調なのか、またどの程度の資金を持っているのかも外部からはよくわからない。
そこで今回は、なぜだかよくわからないが、インターネット上に落ちているウーバーの決算資料と思われるデータをまとめることにした。
データは2012年から2015年第2四半期までのものが入手可能で、その真贋(しんがん)の最終判断は読者にお任せしたいが、複数のソースでデータをまとめ、時系列に並べたところ、それぞれの継続性が確認できたことだけは触れておきたい。
営業収入と当期純損失
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この連載について
「フィンテック」「ヘルステック」「エドテック」など、今、テクノロジーの力を使って規制産業を変え、新たなビジネスチャンスを生み出す動きが活発化している。各業界の規制が既得権をもたらし、それゆえ国際競争に遅れをとっているとも言われるなか、果たしてテクノロジーは業界の未来を変えるのか。新興プレーヤーやそれを迎え撃つエスタブリッシュ企業、規制に精通する学識者への取材を通じて、規制産業の行く先を考える。
Uber(ウーバー)は、アメリカ合衆国の企業であるウーバー・テクノロジーズが運営する、自動車配車ウェブサイトおよび配車アプリである。現在は世界70カ国・地域の450都市以上で展開している。 ウィキペディア
時価総額
10.4 兆円
業績

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