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KDDIとSkydioが資本業務提携を締結、ドローン社会実装を加速
ケータイ Watch
伊藤 英ベイシスコンサルティング ドローンエキスパート
ドローン製造業界では中国が世界を圧倒的にリードしていますが、公共セクターやナショナルインフラに準ずる事業会社(電力やガス会社など)では、中華製ドローンの安全保障上のリスクから、その使用を排除する動きが世界的に見られます。 例えば、アメリカでは2025年12月から、連邦政府の業務で中華製ドローンの使用を禁止する法案が可決されています。日本では、法律こそないものの、公共セクターでの中華製ドローンの使用を見送る動きが一部で不文律として存在します。 このような状況の中で、アメリカ製のSkydioが市場を急速に獲得し始めています。2020年からはNTTグループの一企業がSkydioの独占的な取り扱いを開始し、NTT Docomo ventureはSkydioに対して出資も行っています。その後、Skydioは日本での成功を確信してか、代理店制度を設けて複数の事業者による販売を開始しました。KDDIもこの時からSkydioの販売を始めており、今回の発表はその関係が資本業務提携としてさらに深まったことを裏付けています。 今回の提携により、KDDIのネットワークを活用し、APACリージョンでのSkydioの機体販売が行われることになるそうです。一部地域では既にSkydioを使用して点検業務を行うドローン企業も存在しているようですが、KDDIが日本市場で培ったドローン点検ノウハウを組み合わせることで、東南アジアでのSkydioの市場浸透はさらに加速すると思われます。 なお、この提携は民間での利用に限られているのもポイントです。Skydioは本社があるアメリカや新設されたインド法人を通じて、民間市場だけでなく防衛産業(DoDセクター)での大規模な契約を続けており、APACリージョンにおいてもDoDは直販体制をとることが予想されます。 当初はエンターテイメント寄りの空撮専門の機体を開発製造していたSkydioですが、点検市場に参入してからというもの、瞬く間に会社が成長し、あっという間に企業価値も3000億円以上になっています。中華製以外の優秀なドローンという数少ない選択肢の中でも一際存在感があるドローン企業となっており、これからの展開からも目が離せません。
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100万回のドローン配送を達成、米ジップラインは医療分野から小売に事業拡大
Forbes JAPAN
伊藤 英ベイシスコンサルティング ドローンエキスパート
Zipline社のホームページには、飛行距離、運搬回数、配送品数の3項目が運航実績としてセミリアルタイムで表示されています。 *zipline社のHP: https://www.flyzipline.com/ 昨夜10時の時点からだけでも、飛行距離は新たに64,000マイル(10万km越え!!)、運搬回数は617回、7304個が新たに加わっています。 ドローン物流に関わったことがある方であれば、これらの数字がいかに驚異的であるか、また日本の現状と比較してどれだけの差があるかは明白です。たった半日の実績で、過去に日本で行われてきたドローン物流の総実績をはるかに凌駕していると思います。 日本では豊田通商がZipline社に出資もしており、まさにジャックポットを引いた事業投資になっているのではないかと思います。同社は五島列島での実証事業を始めていますが、あまり話題になっていないので、もしかすると水面下で大きな動きがあるのかもしれませんね。 いずれにせよ、国産のドローン物流の取り組みが悪いというわけではなく、良いものは積極的に取り入れながら、日本も世界のイノベーションのスピードに負けないようにしていかなければ、ドローン分野でもガラパゴス化してしまい、国際競争の舞台に立てないままの小さな産業として終わってしまう可能性が危惧されます。
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原発格納容器の内部 ドローンで調査 「核燃料デブリ」撮影か
NHKニュース
伊藤 英ベイシスコンサルティング ドローンエキスパート
福島第一原発1号機の格納容器内部の調査にて、これまで捉えることができなかった核燃料デブリ(と推定されるもの、が現時点での性格な表現)の姿を、マイクロドローンを用いて初めて確認することに成功しました。 この機体は国産ドローンメーカー、Liberaware社製です。 「人が行けない場所へ、人の安全な未来へ」 まさに会社のキャッチコピーを体現した形と言えるでしょう。 個人的にLiberawareの閔社長とは約5年の付き合いがあり、創業のオリジンが2013年の閔社長自身が参加した福島原子力発電所の内部調査にあることを知っています。 当時、GPS電波が届かない屋内で飛行可能な特別なドローンを開発しましたが、機体が大き過ぎて現場で必要とされる細部の調査ができないという問題があったそうです。Liberawareは、このようなアクセスが困難な狭小空間でも安定して飛行できるドローンの開発を目指し、2016年に設立されました。 今回の格納容器内部での飛行成功は、閔社長の長年の夢であったと思います。他人事ながら、私も胸が熱くなりました。 Liberawareのドローンは、自らが発生させる乱流の中でも安定して飛行できる独自の機体制御システムや、ほこりが多い環境でも性能を維持できる防塵対応モーターなど、多くの特許技術を有しています。 ドローン市場が中国メーカーによる寡占状態にある中、国内メーカーもまだ世界市場に進出できる可能性を秘めていることを示す、そんな励みになるニュースですね。
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日本郵便、物流専用ドローン始動 最大積載量アップ
Impress Watch
伊藤 英ベイシスコンサルティング ドローンエキスパート
世界のドローン物流分野では、固定翼とマルチコプターを組み合わせたハイブリッド型の機体が主流になっています。このタイプを採用している企業には、Googleの兄弟会社であるWingや、物流ドローンとして世界トップのziplineがあります。 マルチコプター型は、機体と荷物を空中へ持ち上げその状態を維持するためだけでも、絶えず4つ以上のプロペラを回転させ続ける必要があるのに対し、固定翼を持つ機体は翼の揚力を活かしながら飛行が可能です。そのため、固定翼を使った機体の方がエネルギー効率も高く、長時間且つ長距離の飛行が可能となります。 マルチコプター型のドローン物流で成功しているのが、中国深圳の都市部で展開する美団(メイトゥアン)です。固定翼がないため機体が小型化され、都市部における離発着スペースを比較的容易に確保できるのが強みとなっています。またビル風などの影響を受けても、固定翼よりも風に煽られにくく、機体の制御が安全に出来ます。 ACSLは創業から一貫してマルチコプタータイプのドローンを開発し続けています。海外の先行及び成功事例を見ると、ACSLの機体が本当に活躍できるのは、今回の実証のような「レベル3.5」で飛行が許可される過疎地域ではなく、「レベル4」に指定される人口密集地帯だと思います。 ACSLも当然そんなことは分かっており、未来を見据えた投資として機体開発や実証事業を進めているものと思います。しかしながら、足元を固める機体の販売実績が芳しくないため、大変残念なことに今月末で社員の約半数を対象とした早期希望退職を断行しリストラクチャーを図っています。 世界に先駆けてドローンマニュファクチャーとして上場したACSL社は、ドローン業界の多くのスタートアップにとってのバリュエーションを試算するための指標(コンプス)となっています。業界全体が活性化するためにも、ACSLの早期復活が望まれます。 *ちなみに本実証事業のプレスリリースを受けて、本日後場で株価が高騰しています。
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