尊敬すべき経営者が「350億円をネコババ」…誰もが驚愕した日産会長の大罪《西川廣人元社長手記の中身》
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不正を微塵も感じさせなかったから分かりませんでしたって…。
日産についても、この事件についても詳しいことは知らないですが、"取締"役だった人が被害者のように語るのはすごく違和感を感じる。＞「有価証券報告書における開示を回避しつつゴーンが受領しようとしていた報酬は推定で総額二百億円以上に上り、しかもその一部はゴーンに支払い済みである。また、役員報酬の名目以外にゴーンが日産に現に不正に支出させ、あるいは支出させようとしていた金額は少なくとも合計百五十億円に上る。
これは、会計を学んで経理・有報開示を業務をしていた経験がある人間として言いたい。
まず有報での役員報酬の開示は、当然ながら『役員報酬』でなければ開示対象ではない。
そして役員報酬は株主総会で決議されるもの。実務的には株主総会が役員全員の総額のみを決議し、個々人の役員報酬は取締役会に一任することもある。
つまりゴーン氏単独では役員報酬は決められない。少なくても取締役会で決議したはずであるのでその決議で決まった額を有報で開示するのが当然。
ゴーン氏に、役員退任後に支払う約束をしたという報酬が役員報酬かどうかは、取締役会でそれも決議されていたかどうか、という一点のみで判断すべきこと。
そして過去の報道から、取締役会決議はされていないと言われているので、そうであれば有報開示が必要ない。
それなのに、それを最初の逮捕の嫌疑にしたことがまず大問題。
そして、海外子会社等からの支出については、それは親会社としてのコーポレート・ガバナンスであったり、日産本体からの支出は社内の内部統制の問題であり、どちらも取締役会メンバーや監査役の善管注意義務違反。
それだけの話です。でも、知っていた職員もいたはず。
公益通報者保護法があるのですから、通報して欲しかった。
≪取締役会や経営会議で数々の提案や議論に接してきたが、そうした不正の気配は微塵も感じなかった。しかし実際には数々の不正がゴーン自身と彼の少数の側近の下、長年にわたって水面下で行われてきたのである。…私を含めて他の多くの役員や社員には全く分からなかったというのが嘘偽りのない事実である。≫
