2024/4/19

【為末×永山】あらゆるモノは、数字で捉えよ

Deportare Partners CEO
昨日より今日、今日よりも明日…。仕事でも料理や洗濯などの日常生活であっても、少しずつ上達すると楽しいものだ。
最初は何げなく始めたことも次第に基本のスタイルが確立され、どんどん「らしさ」が出てくる。大なり小なり、誰もが一度はそんな経験をしたことがあるだろう。
本連載では、こうした「熟達」をテーマに各界の第一人者にその方法論を聞いていく。聞き手を務めるのは、元陸上選手の為末大氏だ。
スプリント種目の世界大会で日本人で初めてメダルを獲得した為末氏は、短距離走の熟達のプロフェッショナルでありながら、他の業界との共通点を探し続けてきた。
そのメソッドを1冊にまとめた『熟達論』をベースに、あらゆる角度から質問を投げかける。
今回のゲストは、画家の永山裕子氏だ。絵を描くという行為を通じた物事の捉え方、自己表現とはいかなるものかなど、余すことなく聞いた。
第1回/全3回
永山裕子(ながやま・ゆうこ)
画家。1963年東京生まれ。85年、東京藝術大学油画科卒業(安宅賞・大橋賞受賞)。87年、東京藝術大学大学院 (彼末宏教室)修了。08年~10年・14年~16年、武蔵野美術大学非常勤講師。17年~現在、嵯峨美術大学客員教授。初個展を86年真和画廊(東京)で開催、87年泰明画廊(東京)、90年Gallery WEBER (スイス)、直近では22年「永山 裕子展」Bunkamuraギャラリー (東京)、 21年「永山裕子水彩と素描展」セントラルミュージアム銀座(東京) ほか個展多数。また23年GRAND TOUR FRASCATI ROMEほか、世界的な水彩画のイベントに日本を代表する画家として多数招待されている。『もういちど透明水彩を始めよう』(グラフィック社)、『永山裕子作品集 Spontaneous』(芸術新聞社)など技法書、作品集の著書多数。大塚アトリエ主宰。
為末大(ためすえ・だい)
1978年広島県生まれ。スプリント種目の世界大会で日本人として初のメダル獲得者。男子400メートルハードルの日本記録保持者(2023年11月現在)。現在は執筆活動、身体に関わるプロジェクトを行うほか、アスリートとしての学びをまとめた近著『熟達論:人はいつまでも学び、成長できる』を通じて、人間の熟達について探求する。その他、主な著作は『Winning Alone』『諦める力』など。
INDEX
  • りんごは丸ではなく、五角形
  • 自分の身体を「道具」にする
  • 「型」と「自己表現」のバランス

りんごは丸ではなく、五角形