【トップ直撃】「ワークス」製品を継承したあの企業は「今」
- SaaSに先駆け「標準パッケージ」
- 総合型 vs 特化型
- 人事データの「ポータブル」化
- 従来とジョブ型の「いいとこどり」
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JTC(我らニッポンの伝統的な大企業)、特にメーカーは事業部の力が強すぎる──。
コンサルを務めている友人がそう嘆いていました。
日本企業あるあるの「カスタム沼」には、「うちの会社は特殊だからね~」がまかり通ってしまうナゾの文化と、事業部ごとの特殊性が背景にあるそうです。
つまり、企業単位どころか、事業単位で業務プロセスがカスタマイズされていることになります汗
ちなみに「沼」とは、一度でも足を踏み入れたら最後、永遠に抜け出せなくなることを意味します。例えば、高級カメラレンズの良さを知ってしまった人が、さらに買い足したい誘惑から抜け出せなくなる「レンズ沼」といったフレーズがあります。
私自身は、金型産業を取材していた際に、かゆいところに手が届く国産設計ソフトが、標準を重視する欧州製ソフトに駆逐されていったことを目の当たりにした経験があります。
いくら便利でも、企業ごとに個別最適化(カスタマイゼーション)していては、「スタンダード」に最後は負ける...という教訓を学びました。
NewsPicks編集部では、内製の入稿システムを通じて記者自身が入稿と編集を行うため、自由自在に出来てしまいます。そうした良さを生かしつつも、フォーマットや文字数制限など制約を設けることも重要だと考えています。
ときに制約が創造性を生む点も踏まえて。
SAPの日本トップだったかたが、旧ワークスを率いているとは知らなかった。
先週、XでSAPについての投稿が盛り上がっていた。SAP使いにくくて生産性が低くなるという元のポストがあり、そこへの同意もあれば、経営者のツールだから問題ないといった意見も。
それは本記事にもつながる。日本の内部経営構造は、少なくとも昔はベストプラクティスを意識しないことが多いと思っている。これは終身雇用前提で、自社に個別最適なプロセスを作り、阿吽の呼吸でやれたからという時代背景もあったと思う。
そこでSIerとの深い関係ともズブズブな関係ともいえるものが生まれたり、SAPが日本に進出・拡大する中で、ベストプラクティスではなくカスタマイズをして、そのためのコンサルと開発需要が生まれたことにもつながる。
逆にワークスは、現場スタートで、使いやすいものを組み合わせる形で、標準化であっても別の道を歩んだのだと思う。
だから、誰が意思決定者かによって、SAP、ワークス、どちらが選ばれるのかが異なった。そういう意味では、両社とも障壁があるし、似て非なる領域で戦っているとも感じる。
記事半ばに、HR系SaaSが増加していることの言及もある。
これらも一個一個ではサービスとして良いのだが、統合的に見ようとすると、SaaS沼というか色々必要になったりつなぎこみが難しい。そして、これが就労人口とかから考えられるTAMと実際に刈り取れるSAM/SOMで結構な乖離につながる。
そのなかでCompanyがやろうとしているほかのマイクロサービスと接続する仕組みは、Salesforceの戦略を想起させる。ど真ん中は自社で抑えて、周辺を接続できるようにする。また接続できるからこそ、自社やパートナーによる相互営業や、買収することも当然考えているだろう。
モノサービスからマルチラインに変わっていくところは、全く違う製品になっていくような難しさがある。昔からいるプレイヤーは、もちろん技術負債などのレガシーとの戦いもあるが、一方で過去の経験蓄積から、複合した時の課題や、それに対応する構造をすでに知っている部分もあるという点で、強みを発揮しうる部分が再度来ると思う。
Company って、1996 年に販売を開始したそうです。紆余曲折あったけど約 30 年近く、今でも広く使われ続けているプロダクトを作り上げたのは、改めて考えてみても本当にすごい。1996 年って、Google すら誕生してませんからね。
果たして「標準パッケージ」というコンセプトが良かったのか、長い開発期間を経ても安定して拡張し続けられるプロダクトの作り方が良かったのか。多分どちらの理由も(もちろん他の理由も)あるのでしょうけど、ひとつのプロダクトをこれだけ長く磨き続けた会社はなかなか無いのではと思います。B2B SaaS なんかを開発している企業の人からすると、Comapny の歴史から学べることは多そうです。
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