2024/3/24

【トップ直撃】「ワークス」製品を継承したあの企業は「今」

NewsPicks ジャーナリスト
ワークスアプリケーションズを知っている人は多いでしょう。
NewsPicksでもおなじみの牧野正幸氏が創業し、大企業を中心に約1200社に導入されている統合人事システム「COMPANY(カンパニー)」を生み出した企業です。
ただし、2010年代後半、同社は肝いりの新製品「HUE」の開発につまずきました。
そして、2019年にCOMPANYを継承したのが「Works Human Intelligence(ワークスヒューマンインテリジェンス、WHI)」です。
牧野氏は退任し、2020年10月にパトスロゴスを創業して活動を再開。一方で、主力製品を引き継いだWHIは、あまりメディアに出てきていません。
そこで、NewsPicksとして初となる、WHIのトップ・安斎富太郎氏にインタビューしました。
人的資本経営ブームによってHR(人事)テック市場が注目されている一方、「特化型」と呼ばれる競合サービスも増加中です。
一体、どのようにして、「老舗」のCOMPANYを伸ばしていこうとしているのか。その現在地と未来を直撃しました。
INDEX
  • SaaSに先駆け「標準パッケージ」
  • 総合型 vs 特化型
  • 人事データの「ポータブル」化
  • 従来とジョブ型の「いいとこどり」

SaaSに先駆け「標準パッケージ」

──安斎さんは過去にSAPジャパンの社長を務めました。当時のワークスアプリケーションズをどのようにみていましたか。
私がSAPにいた時、当時のワークスアプリケーションズに競り負けたことがありました。そこで、社内でその要因を調べました。
顧客企業のIT部門に営業している時は、SAPはある程度互角の勝負ができていました。元々SAPは日本企業のIT部門とコネクションが深いので。
──IT部門というのは、いわゆる「情シス(情報システム部門)」ですね。
そうです。ところが、購入判断がエンドユーザー(人事部門)に委ねられた案件では、SAPは(ワークスアプリケーションズに)負けました。
──かつて、数多くの国産ITソフトが欧米製ソフトに駆逐されてきたことを考えると、何がCOMPANYの強みだったのでしょうか。