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仏大統領、「人生の終末」法案を支持すると表明

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    マウントサイナイ大学 アシスタントプロフェッサー

    一般的に「安楽死」に相当する行為は、「医師による自殺幇助」や「積極的安楽死」などに大別されます。

    「医師による自殺幇助」は、長い確認のプロセスを経て全ての条件を満たす場合、末期の重い病気に苦しむ患者が自分の意志で生命を終わらせることを選ぶ際、医師がその手段を提供するというものです。この場合、医師は自殺を実行するための薬剤を処方することはできますが、直接的な行為は行いません。医師が直接患者の生命を終わらせる「積極的安楽死」とは区別されます。

    現在、米国連邦政府はその両者をみとめていません。しかし、一部の州は前者のみを州政府単位で認めています。ただし、州によって条件や手続きには違いがあります。一般的に、患者は成人であること、終末期であると医師に診断されていること、自分の意志で決断していることなどの条件が求められます。基本的には、重い苦痛に直面している終末期患者の自己決定を尊重するという理念のもとに成立します。

    このような話題が出ると、「医師が人の命を決めるのか」といった疑問が呈されることがありますが、それは上記のコンセプトや違いを十分理解できていないかもしれません。

    すでにヨーロッパではオランダやベルギーといった国で同様の法整備があり、差異はあれど医師による自殺幇助が認められています。フランスがそれに続くことになるのか注目されていました。そうした中での大統領の鍵となりそうな発言です。


注目のコメント

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    順天堂大学医学部総合診療科 准教授

    安楽死の議論はヨーロッパではすでに活発に行われており、ベルギー、オランダなどでは認められています。また、安楽死の後に残る臓器についても積極的な活用が行われており、命がなくなる一方、助かる命も出てきています。

    安楽死の意思決定は、複数のスタッフで行われるため、一時的な気の迷いで行われる事を防ぐための仕組みも作られています。

    日本は非常に自殺の多い国であり、かつ、メンタルサポートの受けにくい国と言えます。かなり多くの人が精神的苦痛に苦しんでいるにも関わらず、精神的サポートを受けている人に差別的なイメージが持たれます。

    また、日本は高齢化が進むにつれて、延命治療が増えてきており、意識のない患者の命を繋ぎ止めるために多大な労力とコストをかけています。これは、ヨーロッパでは虐待と捉えられます。


    安楽死は、文化的な背景によって捉えられ方の異なるものです。フラットな議論を進めることは悪いとこではないと考えます。


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    専修大学 商学部教授

    日本では、患者や家族の要望に基づいたとしても医療関係者が患者の「積極的安楽死」への関与は絶対禁止です。手助けすると、殺人罪や自殺関与・同意殺人罪という罪に問われます。延命の中止に関しても同様に厳しく、許容される要件としては、以下の4条件をすべて満たすことが判例で示されています。
    (1) 耐え難い肉体的苦痛がある (2) 死期が迫っている (3) 苦痛を除去、緩和する方法がほかにない (4) 患者の明らかな意思表示がある

    2010年には、医師が低酸素性脳損傷で意識が回復しない患者の気管内チューブを抜き、筋弛緩剤を投与して死なせる事件が起きています。公判では、家族の要請に基づいたものであるとは認めましたが、「法律上許されない」として、医師に殺人罪での有罪判決が下されています。

    一方、フランスの近隣国であるオランダは長期間の国民の議論を経たうえ、2002年、望む人に医師が薬物の投与などをして死に至らしめる「積極的安楽死」を、世界で最初に条件付きで認める法律を施行しました。その条件とは、以下の通りです。
    (1) 患者の耐えがたい肉体的、身体的苦痛がある (2) 患者は回復の見込みがない (3) 十分な情報を得て、患者の自由意志に基づいた要請である (4) 最低1名の他の医師と相談する

    過去は、オランダでも「積極的安楽死」は法律で禁止される行為でしたが、1970年代に安楽死に関与したとして裁かれていた事件に対し、当該事件と無関係の開業医らが「私も同じことを行ったことがある」と署名運動を展開したそうです。つまりは、法で禁止されていた行為が日常的に行われていたことを意味します。その背景には、オランダでは「かかりつけの医師制度」が昔から発展し、医師と患者の信頼関係が強いことと、個人の自己決定権への主張の強さがあること、子が独立した後は親の面倒を見ない文化(自分のことは自分で)があったとされています。つまりは、新規に安楽死を容認するというより、「法の規定を明確にしてもらいたい」という意味が大きかったように思います。

    安楽死は人の権利であるとする考え方はわかりますが、相続や保険金の受け取りをコントロールことも可能になるため、様々な利害関係者からの圧力の恐れがあり、慎重な議論が求められると思います。特に意思決定が密室で行われないようにする仕組みが重要と感じます。


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