関西空港に向かう米旅客機 離陸直後に車輪落下で緊急着陸
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当該機は2001年製の777-200ERでした。落下したのはタイヤとそのホイールで、軸にあたる部分からきれいに脱落しているように見受けられます。重量は100~200kgですから、その下にいたらひとたまりもないことは容易に想像できます。
777には機首部分のノーズギアでタイヤ2本一組、また機体中央部のメインギアが2本ありそれぞれタイヤ6本を縦に並べたような形で、合わせて14本のタイヤで支える仕組みとなっています。今回は左のメインギア最後部右側のタイヤが脱落しました。
航空機のタイヤは自動車と同様に軸とホイールをボルトでつないでいる構造です。また777のメインギア最後部のタイヤ一組はノーズギアと合わせて旋回する機構となっていますが、これが脱落と関係あるかは分かりません。
動画を見ているとメインギアを格納し始めるまさにそのタイミングで脱落したように見受けられ、それまで高速で回転していたタイヤを格納のためにブレーキをかけるタイミングと一致していることから、ブレーキがかかったことで軸とホイールの回転が一致しなくなり脱落したのかもしれません。するとやはり軸とホイールをつなぐ部分に何か問題があったということになります。
ところでホイールごとタイヤが脱落しても、コクピットではすぐに気づけなかったのではないかと想像されます。2001年製なのでタイヤの空気圧モニターシステムがおそらく搭載されておらず、軸部分についているブレーキ温度センサーしかほかにこの部分のセンサーはないため、タイヤだけが脱落してもパイロットは気づけないと思われます。事実いったん当該機は巡航高度に達し、その後地上からの連絡で事態を把握したと思われ、滑走路が十分に長いなどの理由でロサンゼルスを選択し着陸したと考えられます。最近の航空機では空気圧センサーがあることから、その異常としてバーストか何かが発生したことはパイロットにも分かるようになっています。
なお乗客についてはロサンゼルスから別の機体で関西空港へ向かい、つい先ほど到着した模様です。およそ9時間遅れでの関西着となりました。
注目のコメント
谷村さんのコメントで、タイヤ・ギアの仕組みも一層分かる(いつも本当にありがとうございます!)。
素人考えだが、メインギアの一番後方は、着陸時に最初に設置するところで負荷も大きいと思う。今回は離陸時の事象だが、経年劣化・摩耗といった観点では、こういったことも影響している?当然それらも考慮して設計はされているわけだが…
にしても、ケガをされた方がいなくて、本当に良かった…