2024/3/4

【ブーム→危機】「定員割れ」マラソンの再生に必要なこと

NewsPicks ジャーナリスト
ブームからサステナブルへ──。
今のマラソン界が置かれたミッションだ。
2010年代、マラソンブームはすさまじかった。「42.195kmの試練」に参加したくても、抽選に当選しないと走れない。
昨日開催した東京マラソンのような人気大会は、「完走」よりも「スタートラインに立つ(当選する)」方が難しいほどに。
ところが、2022年以降、マラソン界は未曽有の危機に見舞われた。
開催大会の7割近くがまさかの「定員割れ」。それどころか参加者が集まらずに中止、はたまた「廃止」となる大会が続出した。
希望はある。2023年のマラソン参加者は、コロナ禍前の2019年比8〜9割にまで回復した。
東京マラソン2024
これから求められるのが、マラソン市場の「サステナブル」な成長。
マラソンだけではない。キャンプ、自転車など市場が過熱してはブーム終了後に後遺症が残る例は枚挙にいとまがない。
その点、マラソン界はブーム後の「次」が見えてきた。そこで、マーケティングなどビジネス視点も踏まえ、現状を解説する。
INDEX
  • バブルからのクライシス
  • 過去最高の30万人超え
  • マラソン「チャーン」を改善せよ
  • 記録か、それ以外か
  • ランナーの生涯価値を高める

バブルからのクライシス

マラソンに詳しくない人には意外かもしれない「マラソン・クライシス」。