(ブルームバーグ): オプションのポジショニングによると、米半導体大手エヌビディアの株式時価総額は今週の決算発表次第で2000億ドル(約30兆円)近く変動する可能性がある。

ブルームバーグの集計データによると、短期のコールとプットの価格は、決算発表翌日の22日にエヌビディアの株価が10.6%動くことを示唆。これは同社の時価総額で約1800億ドルの変動に相当し、1営業日の動きとしては過去最大級となる。ただ、メタ・プラットフォームズが持つ1日で過去最大の時価総額増加と減少の記録には及ばない。

弱まることのない人工知能(AI)ブームを追い風にエヌビディア株は1年で3倍に上昇しており、トレーダーはさらなる変動に身構えている。同社はS&P500種株価指数構成銘柄の年初来パフォーマンスでトップ。大型ハイテク株は同指数の今年の上昇の約30%に貢献しているだけに、株価が大きく変動すれば指数全体に余波が広がる可能性が高い。エヌビディア株は20日に一時6.7%下落し、大型株指数の足を引っ張った。

サスケハナ・インターナショナル・グループのクリストファー・ジェイコブソン氏は、「大きく動いたことで、バリュエーション(株価評価)に懸念を持ち、現状でのポジションの追加や構築は怖いと感じる人もいるが、同時に株価がさらに上昇する機会を逃すことも恐れている」と指摘。「そのため、リスクを限定する選択肢として、アップサイド・コールに目を向ける人が多い」と述べた。

原題:Nvidia Options Signal Nearly $200 Billion Swing After Earnings(抜粋)

--取材協力:Nour Al Ali、Daniel Curtis、Matt Turner.

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