テスラ、欧州で「モデルＹ」値下げ　独仏やデンマークなど

Hyunjoo Jin　Christoph Steitz

［１７日　ロイター］ - 米電気自動車（ＥＶ）テスラが、ドイツを含む欧州の複数の国で「モデルＹ」の価格を引き下げた。中国でも１週間前にモデルＹと「モデル３」を値下げしたばかり。

テスラのウェブサイトによると、ドイツではモデルＹロングレンジの価格は４万９９９０ユーロ（５万４３４０ドル）、モデルＹパフォーマンスは５万５９９０ユーロと、ともに５０００ユーロ引き下げ。値下げ率はそれぞれ９％、８．１％に相当する。

モデルＹ後輪駆動モデルも１９００ユーロ（４．２％）引き下げ、４万２９９０ユーロとなった。

モデルＹはフランスでも最大６．７％、デンマークでは最大１０．８％値下げされた。

またＣＮＢＣによると、オランダで最大７．７％、ノルウェーでは５．６─７．１％の値下げとなった。

理由は明らかにされていないものの、ＥＶの需要は政府補助金制度の縮小や借り入れコスト上昇により全般的に鈍化している。

独連邦自動車局（ＫＢＡ）によると、ドイツ全体の昨年のＥＶ販売は１１．４％増加したものの、テスラの新規登録台数は９％減。その結果、テスラの市場シェアは１２．１％、競合フォルクスワーゲン（ＶＷ）は１３．５％となり、ドイツでのＥＶ販売首位の座をＶＷに奪われた。

ウェルズ・ファーゴとＵＢＳは１７日、テスラ株の目標株価を引き下げた。引き下げ幅はそれぞれ８％超、１１％近くとなった。

注目のコメント

高田敦史
A.T. Marketing Solution 代表 VISOLAB（株）CMO マーケティング、ブランディング
・2024年01月18日
ドイツは昨年１２月にEV補助金を打ち切りました。それも値下げの理由でしょう。

フランスは今年の１月から製造や輸送過程でのCO2排出量を基準に「環境スコア」を算出して補助金対象を決めるが、これは実質的な中国製ＥＶの締め出し政策である。中国製ＥＶは欧州ＥＶ市場の３割を占めるまでになっている。
ただし、フランスで販売されているテスラはベルリン工場製なので補助金は継続されるはずである。

テスラはコストや販売の状況で不定期かつ頻繁に価格を改定する。廉価モデル（モデル２）が出てくるまでは、モデル３，モデルＹの値下げで対応することになると思います。
鈴木智幸
ŌGIRI☆倶楽部見習い/ BtoB企業製品担当課長
・2024年01月18日
なんか日本語がしっくりこない
中国の値下げを追いかける形で欧州で値下げですよね
その事についてさほど不思議はないんですが

「1週間前に値下げしたばかり」ってこういう時使うのかな？

『中国でも１週間前にモデルＹと「モデル３」を値下げしたばかり。』
野澤友孝
専門商社（ドイツ駐在）
・2024年01月18日
ドイツは、12月にEVに対する補助金支給を即時打ち切る事を12月に発表しました。
元々は2024年末までの計画でしたが、新型コロナウイルス対策予算600億ユーロを気候変動対策基金に転用したことについて、連邦裁判所が「違憲」と判断した影響によるものです。
事前予告なく発表されたため購入予定者からの反発が極めて強く、VW等のドイツOEMは、補助金相当額を補填することを発表しています。
テスラの値下げもこれを考慮した動きかと思います。