Blake Brittain Jaspreet Singh

[27日 ロイター] - 米連邦控訴裁判所は27日、米アップルの腕時計型端末「アップルウオッチ」最上位機種の米国への輸入禁止命令を一時停止した。アップル側の主張が認められた格好で、同社はスマートウオッチの主力機種の販売が当面、再開可能となった。

米国際貿易委員会(ITC)は10月、アップルウオッチの「シリーズ9」と「ウルトラ2」について、血中酸素濃度を測定する機能が医療機器メーカーのマシモの特許を侵害しているとして輸入禁止を命令。バイデン政権は今月25日までに覆すことが可能だったが、拒否権は行使されず、アップルは26日に上訴していた。

アップルは声明で「新年を前にアップルウオッチの全機種を再び提供できることをうれしく思う」とし、血中酸素濃度測定機能を含むシリーズ9とウルトラ2の販売を米国内のアップルストアで27日から、同社ウェブサイトでは米太平洋時間28日正午までに再開すると発表した。

マシモはコメントを控えた。

マシモの株価は4.6%下落。アップルはほぼ横ばいで取引を終えた。

控訴裁は、法的手続き中のより長期的な輸入禁止措置停止を求めたアップルの申し立てを検討する間、措置を一時停止するとし、ITCに対し来年1月10日までにアップルの要請に回答するよう求めた。

ウェドブッシュ・セキュリティーズのアナリスト、ダン・アイブス氏は「この特許争いに関わる法的問題を考えると、アップルにとって予想外の大勝利」と指摘。「マシモにはこれから大きな戦いが待っている。1月の控訴審が大きなヤマ場になるだろう」と述べた。

アップルはさまざまな法的・技術的選択肢を検討中としている。

同社は26日、設計を変更したバージョンがマシモの特許を侵害しているかどうかを米税関・国境取締局(CBP)が審査していると裁判所に明らかにした。CBPは来年1月12日に判断を示す見通しという。

*詳細を追加しました。