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認知症新薬、年298万円 公定価格、レカネマブで中医協

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  • 総合内科専門医・循環器専門医 医長

    既存の認知症治療薬は医学的な利益が不十分として、フランスでは保険適応から外れて何年か経ちますが、日本ではアリセプト®︎がジェネリックとなってはいるものの他の内服も含めてかなりの数が処方されています。(そもそもガイドラインで推奨されています)

    今回は発売前から適正使用の指針が提示されています。とはいえ、その範囲であれば50-90歳の多くの患者に処方されうると思います。
    (私の専門とする循環器領域でも高価で話題となっている薬剤がありますが、社会的な適正利用を意識する医師もいれば、意識し過ぎる医師もいたり、全く意識しない医師もいます...)
    指針が示された以上、その範疇での処方は日本の保険診療の範疇で「有益」だと判断できると考えた方が日々の診療がスムーズだからでもあります。

    また、エーザイからのマーケティングもそうしたところをターゲットに進んでいくと思います。



    それはさておき、効果のあるなしはいろんな指標があるものの難しい問題ではあります。

    長い距離が歩けなくなる足の血管の病気はある薬で症状が改善します。もともと240mくらいの歩行距離だった方々が、偽薬でも280mくらいまで歩けるようになったものの、本物の薬なら330m歩けるようになったと。
    自宅内生活が買い物に行けるようになった、といった目に見えた改善はないという人もいれば、見方によっては40mの改善に対して薬は90mの改善が得られて倍ほども効果が違ったという人もいます。

    そして単独の治療で大きな改善が得られなくても積み重ねればということもあります。



    さて、医療費、社会保障の問題はどうなっていくのでしょうか。


注目のコメント

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    マウントサイナイ大学 アシスタントプロフェッサー

    ここは価格に終始した議論ではなく、その医療行為の「価値」で議論を進めたいところです。医療の価値は、その医療行為がもたらす益とコストの割合で決まります。価格が高くても、それに見合った大きな益があるのであれば、その医療行為の価値は十分高いと判断でき、青信号を点すことが妥当だと考えられます。

    がん治療の世界では、高齢者が対象となる治療でも年間数千万円を超えるものもすでに存在しています。この程度の価格の医療行為というのは実際のところすでにいくらでも存在し、今に始まった話ではありません。

    この薬がもし、認知症の世界を劇的に変えるようなものとすでに分かっていれば、あまり議論の余地はなかったのかもしれません。実際のところ問われるべきは「そのコストに見合った益がもたらされるか」だからです。

    現時点での限られた情報からは、効果が限定的であり、既存の安価な飲み薬と比較しても大きな差を期待できないようなものである可能性があります。また、見逃せない副作用リスクもすでに知られており、臨床試験の範囲内でも複数の人が薬の副作用と考えられるプロセスで死亡に至る結果となっています。

    その上で、この医療行為の価値は?と問う必要があります。米国の承認にかかわらず、この治療薬にNoを示す国があっても良いと私は思います。「なくてもよかった」可能性も「ない方がよかった」可能性もまだ残される薬だからです。ただ、逆に言えば「あった方が良い」と言える可能性も残されていると思います。ここにさらなるデータが必要なことは明白です。印象論ではなく、データをもとに判断すべきでしょう。でなければ、私たちは判断を間違え続ける確率が高くなります。

    こちらもぜひご参考にしてください
    https://www.minnanokaigo.com/news/seniorlife/6/


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    総合内科医 医学博士

    大きな視点でみれば、医療費は国民の財布から出ています。治療薬が保険適用になるかどうかは、「この治療を行うことに多くの国民が納得するかどうか」という視点が重要になります。

    レカネマブの使用にかかる医療費は薬価のみではありません。まず、適応となるかどうかを判断するためには特殊なPET-CT検査や脳脊髄液検査が必要で、通常は数万円~数十万円の費用がかかります。また、2週間に1回の点滴通院を数年単位で続けることになるコストもあります。さらに、副作用として脳出血や脳浮腫などがあり、薬を使用中の方は何か症状があった時もしくは定期的に頭部MRIなどの画像検査が必要になり、これにも数十万円の単位の医療費が割かれます。

    これらの医療費に対する薬の効果についてですが、「認知症の進行を抑制した」のはあくまで臨床試験で使用されたスケールの数字の話であり、家族や介護者からすれば変化を感じるほどの改善とは言いにくいレベルです。むしろ18ヶ月間の臨床試験中にレカネマブ投与群の患者さんの認知機能レベルは着実に低下していることも事実であり、「認知症の薬を投与しているのに、認知症が悪くなっている」と多くの家族は感じることになると思います。少なくとも多くの人が期待する「夢の認知症治療薬」とは程遠く、むしろ日本の医療保険制度自体を見直すきっかけになる薬かもしれません。


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    順天堂大学医学部総合診療科 准教授

    非常に高額な価格設定となりました。認知症患者および、それを支える立場のご家族からすれば、藁をもすがる思いだと思いますが、この治療薬の効果は限定的と言わざるを得ないでしょう。また、重篤な副作用として脳出血が含まれており、利益と不利益をしっかりと検討し、使用は適応患者に絞って行われる必要があります。


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