Dan Williams

[エルサレム 27日 ロイター] - 実業家のイーロン・マスク氏は27日、パレスチナ自治区ガザでの紛争の引き金となったイスラム組織ハマスによる殺戮行為につながった一種のプロパガンダを阻止することが課題の一つとし、イスラエルのハマスに対する作戦を支持した。

マスク氏は4日間の戦闘休止期間中に異例のイスラエル訪問を実施し、ネタニヤフ首相とのライブ討論会をオンラインで開催。パレスチナ側との今後の和平のためにはハマス一掃が必要とのネタニヤフ首相の発言を受け、マスク氏は大筋同意する意向を示した。

マスク氏は「選択の余地はない。私も協力したい」と指摘。「殺人を意図している者は無力化されなければならない。将来、人殺しになるように人々を訓練するプロパガンダは止めなければならない。その後、ガザを繁栄させる。それが実現すれば良い未来が待っている」と述べた。

ネタニヤフ首相は「マスク氏の関与を願っている。マスク氏のイスラエル訪問は、より良い未来を確保しようとするマスク氏の決意を雄弁に物語っている」と応じた。

マスク氏はその後、ヘルツォグ大統領と共にガザ地区で拘束されている人質の家族と面会した。

ヘルツォグ大統領は、反ユダヤ主義との世界的な闘いにおいてマスク氏が果たすべき役割は大きいと言及。大統領府が発表した声明によると、マスク氏は「憎しみを止めるために必要なことは何でも行わなければならない」とし、「これらの人々は子供の頃からプロパガンダを聞かされてきた。子供の頃から虚偽の情報を与えられれば、罪のない人々を殺すことが良いことだと考えるようになる。それくらいプロパガンダは人の心に影響を及ぼす」とは語った。

これに先立ち、イスラエルは27日、マスク氏と、スペースXの衛星通信サービス、スターリンクをガザ地区で提供することで基本合意したと発表した。

イスラエルのネタニヤフ首相は9月にマスク氏と会談しており、X上で言論の自由を守りつつもヘイトスピーチ対策に取り組むよう要請していた。