2023/11/14

【直撃】朝日新聞が「今さら」科学誌ニュートンを買収した狙い

NewsPicks 記者
窮余の一策か、起死回生の妙手か──。
朝日新聞出版が10月5日、科学雑誌の『Newton(ニュートン)』を発行するニュートンプレスの全株式を取得したと発表した。ニュートンプレスは朝日新聞グループの傘下に入ることになった。
ニュートンは1981年創刊の一般向け科学雑誌だ。質の高い写真や精細なイラストを駆使し、わかりやすさとビジュアルにこだわった誌面は年齢を問わず根強い人気を誇る。
直近の発行部数は約8万1000部。同じく月刊の科学雑誌『日経サイエンス』(日経サイエンス社)の1万8000部、『科学』(岩波書店)の6000部と比べても規模が大きい。
だが、かつて15万部以上あった部数は、出版不況のあおりを受け年々減少が続く。また、2017年に前社長が出資法違反容疑で逮捕されたことで経営が不安視され、同年、民事再生法の適用を申請。現在も債務の返済を続けている。
一方の朝日新聞出版も、創刊から101年続いた『週刊朝日』が今年5月末で長い歴史に幕を閉じた。
なぜ、朝日新聞出版は「日本最古の総合週刊誌」をやめ、再建中のニュートンプレスを買収したのか。
NewsPicksは、朝日新聞出版の市村友一社長とニュートンプレスの高森康雄社長にインタビュー。
縮小する出版市場で新機軸を模索する両社の思惑を聞いた。
INDEX
  • 「ピタッとくる」
  • ニュース週刊誌は「早晩なくなる」
  • 23億円の債務完済へ
  • 潜在的チャンス