2023/10/13

【3分解説】海外利益4割増。絶好調ユニクロが止まらない

NewsPicks 記者
久しぶりに、笑顔にあふれた会見だな──。
それがまず感じた率直な感想だった。特に、コロナ下では、柳井正会長兼社長の厳しい表情が記憶に刻まれていただけにより一層、その朗らかな顔つきが印象に残った。
それもムリはない。
昨日発表された「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングの2023年8月期通期の連結業績は、思わず笑顔があふれそうな見事な数字をたたき出していた。
まず売上高に当たる売上収益は前年比20%増の2兆7665億円、営業利益は28.2%増の3810億円、さらに当期純利益は8.4%増の2962億円 と、収益・利益ともに過去最高を更新したのだ。
それだけではない。
さらに今回の決算で一番注目すべきは、長年苦しんできた海外ユニクロ事業が軒並み高成長を遂げたことだ。その結果として、売上収益は、中期目標として掲げている3兆円を射程圏内にとらえるまでになった。
会見の中では、9月1日にユニクロの社長COOに就任した塚越大介氏が、今後のビジョンを語り、「後継者」が印象付けられる一方で、柳井氏が「私もまだまだ頑張る」と現役を強調する場面もあり、ほほ笑ましい関係が見て取れた。
原材料の高騰などによる価格の改定など、業績面で苦しい日本企業が多いなか、かつてのITベンチャーのような利益約30%、製造業としては驚異的な成長を果たしたファストリの業績の中身を振り返ろう。
INDEX
  • 売上5割を超えた海外ユニクロ
  • 海外「ユニクロヒット」の理由
  • 「ユニクロ新社長」が初登場
  • 今期は売上収益3兆円へ

売上5割を超えた海外ユニクロ

好調さを牽引したのは、海外のユニクロ事業だ。