2023/10/19

【読書】いま「世代間ギャップ」がどんどん縮まっている

NewsPicks編集部
NewsPicks編集部が、本の要約サイト「フライヤー」とコラボし、話題の書籍の要約をお届けする連載「10分読書」。
今回は『消齢化社会 年齢による違いが消えていく!生き方、社会、ビジネスの未来予測』(集英社インターナショナル)をお届けする。
ぜひ、日常のひとときで新たな知識を手に入れてほしい。(4138文字)
(写真:Nadzeya_Dzivakova/Gettyimages)
INDEX
  • 消齢化の発見
  • 消齢化の背景
  • 消齢化の未来
  • 消齢化社会におけるものの見方

消齢化の発見

🤔「年齢にとらわれず新しいことに挑戦したり、自分らしさを追求したりする人を目にする機会が増えている」

🤔「元気で若々しいシニアが多い気がする」

🤔「最近の若者はやけに大人びている」
このように、ここ最近、生活者の年齢と意識・価値観の関係性が薄れてきたと感じている人もいるかもしれない。
生活者の意識と行動を研究している著者らにも同様の感覚があった。そしてあるとき、その変化が長期的なスパンでデータに表れていることを発見した。
著者らが所属する博報堂生活総合研究所では、1992年から「生活定点」調査を続けている。
2022年に30年という節目を迎え、それまでに集まった膨大な生活者データを見返していた著者らは、多くのグラフに特徴的な動きが見られることに気づいた。
一例として、「将来に備えるよりも、現在をエンジョイするタイプである」という項目についての回答を見てみよう。
「はい」と答えた人は、1992年では39.0%、2022年では41.4%だ。1992年から2022年までの数値は40%前後で、30年間ずっと変化していないように見える。
だが、年齢に注目してみると、別の傾向が見えてきた。