2023/10/6

【森ビル社長】理想の東京を具現化、六本木ヒルズの秘密

「六本木ヒルズ」は、不思議なインパクトのあるビルだ。
人によって、印象は大きく異なる。
入居企業の経営者は「ヒルズ族」と呼ばれ、いけ好かない成金のイメージを持つ人もいるかもしれない。
散歩しに行く(けれど何も買わない)、ハイソな街というイメージもあるだろう。
いずれにせよ、なぜか他のビルにはない「色」があるのが六本木ヒルズだ。
(Photo;: 六本木ヒルズ HPより)
実は、この六本木ヒルズには、森ビルの濃い思想と、思想を具現化するノウハウが詰まっている。
森ビルにとって、六本木ヒルズは最高傑作なのだ。
なぜ、なにが最高傑作なのだろう。
森ビルは十年単位で1つのプロジェクトを完成させる、とんでもないデベロッパーだ。
彼らの最高傑作の思想について聞くと、何かヒントが得られるかもしれない。
怪物都市・東京の最終回は、怪物のような再開発主体、森ビルのトップに話を聞いた。
INDEX
  • ヒルズ1階の「設計」はすごい
  • アークヒルズの教訓
  • 超高層の理由
  • ヒルズの意外な変化
  • 街の「表と裏」
  • 「もう一度、東京は勝てる」

ヒルズ1階の「設計」はすごい

──六本木ヒルズは、他のビルと何が違うのでしょう。
辻󠄀 海外からきた人が滞在するホテルや遊べるお店、文化施設がコンパクトに複合しているところです。
オフィスだけの街では世界との競争には勝てません。