（ブルームバーグ）： ベトナムの電気自動車（ＥＶ）メーカー、ビンファスト・オートの株価は、15日の米ニューヨーク市場での取引初日に255％上昇し、時価総額でゼネラル・モーターズ（ＧＭ）やフォード・モーターを上回った。
ビンファスト株は37.06ドルに上昇し、時価総額は約850億ドル（約12兆3700億円）となった。創業者のファム・ニャット・ブオン会長の純資産は390億ドル増加。ブルームバーグ・ビリオネア指数によると、ベトナム一の富豪である同氏の資産は443億ドルに達した。
ビンファストは特別買収目的会社（ＳＰＡＣ）、ブラック・スペード・アクイジションとの合併を完了後、ナスダック・グローバル・セレクト・マーケットで証券コード「ＶＦＳ」で取引開始。同社株は今年に入り米証券取引所にＳＰＡＣとの合併を通じて上場した企業の中で最高のパフォーマンスとなった。
ビンファストはＢＭＷ単独の時価総額および、フォードとリビアン・オートモーティブの合計額を上回ったが、比亜迪（ＢＹＤ）の時価総額は下回った。
ただ、ビンファストは低浮動株であることに注意する必要がある。取引可能な株式が少ないため、株価が大きく変動しやすくなっている。
規制当局への届け出によると、ビンファストの創業者ブオン氏は、同氏の妻やビングループが保有する株式も通じて、同社株の約99％を支配している。つまり、大部分の株式はロックアップされ、投資家が入手できなくなっている。
さらに、ＳＰＡＣと合併する企業の株価は、ソーシャルメディアで話題が収まるのに伴い、合併完了後に数営業日で上昇が失速する傾向にある。ブルームバーグ集計のデータによると、今年に入りＳＰＡＣとの合併を通じて上場した企業の株価は約45％値下がり（中央値）。このうち18社は70％超の下落となっている。
原題：VinFast’s $85 Billion De-SPAC Valuation Blows Past Ford, GM (1)、Tycoon’s Fortune Soars $39 Billion on Eyebrow-Raising SPAC (1)（抜粋）
(詳細や背景などを追加して更新します)
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