[コペンハーゲン/ロンドン 8日 ロイター] - デンマークの製薬大手ノボノルディスクは8日、肥満症治療の注射薬「ウゴービ」について、大規模な臨床試験(治験)で心血管疾患にも明らかな効果があることが示されたと発表した。

治験は週1回のウゴービの投与の医学的的な有益性を検証するために約5年前に開始。心臓病の既往歴があるが、糖尿病の既往歴のない過体重または肥満の45歳以上の1万7500人を対象に実施された。

ノボノルディスクによると、ウゴービを投与された患者はプラセボ(偽薬)が投与された患者と比べ、心臓発作や心臓病で死亡する割合が20%低かった。投資家やアナリストは15─17%低くなると予想していた。

ノボノルディスクの開発担当エグゼクティブ・バイス・プレジデント、マーティン・ホルスト・ランゲ氏は、ウゴービで「肥満症に対する評価と治療法」が変わる可能性があることが示されたとしている。

今回発表された結果は査読(ピアレビュー)を受けていない。詳細な結果は年内に学会で発表される。ノボノルディスクは年内に米国と欧州連合(EU)で週1回のウゴービ注射の適応拡大の承認申請を行う予定。

治験結果の発表を受け、欧州株式市場でノボノルディスクの株価は約17%急騰し、過去最高値を更新。株価は過去2年間で約165%上昇している。

ノボノルディスクは7月29日に欧州の主要市場としては初めてドイツでウゴービの販売を開始。米国では2021年6月に開始したが、欧州ではノルウェーとデンマークの小さな市場に限られていた。