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認知症薬今月21日承認審議 エーザイ「レカネマブ」

産経ニュース
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注目のコメント

  • 髙橋 宏瑞
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    順天堂大学医学部総合診療科 准教授

    レカネマブ唯一の課題は薬価が高い事です。安ければ広く多くの方に使えば良いのですが、ここまで高価な薬剤となると、やはりメリットとデメリットを検討しなければなりません。

    また、レカネマブの治療効果は限定的で、早期の認知症患者に対し18ヶ月の調査で、27%の進行抑制に留まります。

    実際に日本でも処方できる様になれば、進行度に関わらず使いたいという患者または患者家族がかなり多くいらっしゃると思います。患者が強く望めば、医師もこの薬を使ってみようという判断をする姿が容易に想像できます。そうなると、医療費の高騰につながり、増税となる可能性があります。

    2020年では、日本の認知症患者は約600万人、そのうち約60%がアルツハイマー型認知症だとすると、360万人の患者がいると推計されます。そのうち10%の方がレカネマブを使ったとすると、36万人に年間360万円かかるとこになり、単純に計算で1兆2930億円という計算になります。少なく見積もってもこの金額になるので、レカネマブの適正仕様は重要なポイントです。


  • 山田 悠史
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    マウントサイナイ大学 アシスタントプロフェッサー

    高橋先生のコメントに追加で、レカネマブのもう一つの課題は、ARIAと呼ばれる副作用。認知症の進行を遅らせようとしながら、脳出血を起こしてしまう確率がそんなに低くない(17%程度との報告がある)ことです。どのように患者さんを選択するかの基準は、十分に確立しているわけではありません。

    また、さらなる課題は長期成績が不明なこと。少なくとも18ヶ月の観察期間では認知症の進行を遅くしていますが、その期間を超えてどうなるかは不明です。同種薬剤では、逆に進行を速める可能性を示唆した研究もあり、ここも懸念材料です。長期成績の報告も待たれます。


  • 高橋 義仁
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    専修大学 商学部教授

    「レカネマブ」は、基準以上の有効性が確認され、その有効性に対して基準以上の安全性のバランスが取れているという基準で米国の製造承認審査は通ってますが、米国で使用されるか否かの鍵を握るのが、実質、民間保険会社と言われています。

    日本でも米国に追随して製造承認審査が行われ、製造承認はされると思います。しかし米国と異なり、日本では政府が健康保険を管掌しているため、製造承認後には政府が保険薬価を決定し、その価格で保険薬の支払いが行われます。通常は製造承認と保険薬価適用は一つの流れで行われますが、この医薬品の場合は不透明さが残ります。

    米国でつけられた医薬品メーカーの売り出し価格は、日本の薬価決定でも参照されますが、同様の薬価がつけば年間約380万円の薬剤費となります。当医薬品はは死亡するまで使われる性格の医薬品であり、これに医療機関に支払う診察・入院などの費用がプラスされます。

    アルツハイマー型認知症の進行が若干程度抑制される(約27%)というメリットと、一般に当該疾患にかかりやすい高齢者の介護に大変な労力を必要とする患者家族が熱望している事実はありますが、この医薬品が使われると、高額医療費の上限をはるかに超えます。実際の患者負担金は、(所得によるものの)医療機関に支払う費用と合わせても、年間数十万円以内であることがほとんど(月間自己負担上限を仮に3万円として×12か月、所得によって増減)だと思われるため、少なくとも日本では「念のため」に使用されやすい医薬品になると思います。そうなれば、若年層に大きな経済的負担がかかります(医療制度全般で言えます)。

    保険適応に無頓着な米国での製造承認に対して、一方ではジェネリック政策を極限まですすめ、「乾いた雑巾を絞った結果、治療基本薬に欠品を招く原因になるような数円単位の薬価の切りつめ」を根気強く行っている日本政府の薬事行政当局がどのような判断をするのか注目されます。

    医薬品産業を俯瞰する立場から見ると、新薬の研究開発の成果が出せて、しかも米国で先行発売し、日本で高薬価を付けることができる環境を整えたわけですから、製薬企業としては理想的なビジネスモデルの方向性が作れていることになります。この点は賞賛すべき部分です。

    本件は立場により解釈が極端に変わってくるため、ここでのコメントは慎重にならざるを得ないと考えます。


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