「薬がない!!」いま薬局で起きている切実な現実
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記事に書かれている内容は、大きくは2つの原因である (1) 販売を中止させる行政指導に端を発した品薄、(2) 新型コロナによる特定医薬品の品薄に分かれます。
広範囲に影響を及ぼしているのは(1)の方で、多くのジェネリック薬で品薄が起こっています。ジェネリック(後発医薬品)製造企業の日医工は、2020年から次々に製品不正製造が発覚、自主回収を行いました。ジェネリック企業の小林化工でも同様の事例が発覚し、自主回収を行いました。
特に、小林化工の作業手順遵守違反に伴う重大なミスによる死亡例と日医工の製品試験の不適合を隠し合格がでるまで再試験を実施している等の慣行は問題とされました。
その後、日医工は、本来の基準で合格水準の医薬品を出せない製品やコストを割った薬価がつけられている医薬品の供給をやめてしまい、厚生労働省がかなり働きかけているものの、このような採算割れが予想される医薬品を供給する他の企業も供給に後ろ向きな結果、切実な「基本的に使われる医薬品の供給不足」が起きています。
(2)の問題は固有の問題として解消しつつありますが、(1)の問題は日本の薬価制度とジェネリック推進政策の副作用的に発生した構造的な問題です。解決には相応の努力を要し、政策の見直しも検討すべき課題だと思います。かなりの種類の薬が供給不足となっているのは事実で、
少し前は不妊治療に必要な薬が不足していた時もあり、その間女性の年齢は待ってくれないので、本当に切実でした。
記事では、感染予防や常備薬で自衛を、とありますが、
世の中には感染症以外の病気もたくさんあり、
市販薬がないものも多くあります。
薬の供給が不安定な背景として、行政指導や、原材料の問題などがあげられますが、長期的にみたときに、日本が年々薬価を下げていることで、撤退する企業がでてきてもおかしくはありません。
企業もボランティアではないので、適正な価格をつけてもらえない市場からは撤退するという経営判断はありえます。
販売は続けてもらえたとしても、薬価が下がり続けたら、薬の開発などの余力はなくなっていきます。
医療費を抑える、という目的だけでなく、医療全体を俯瞰した政策をお願い致します。この記事にある、カロナール、メジコン、ムコダインは、症状を緩和する目的なので、薬がなかったとしても、命に関わる事はありません。また、代替品で代用可能です。しかし、このほかにも抗菌薬や抗がん剤など流通に問題が起きる事が多々あります。
記事にある様に原因はいくつかあると思いますが、コロナや戦争など様々な理由で国内への流通が途絶える事も考えられるため、やはり重要な薬剤については、国産インフラとして配備することが重要だと思います。