2023/7/12

【ここまでやった】台湾「技術立国」の知恵から日本が学ぶこと

NewsPicks 副編集長
あなたは、台湾経済の力強さに気づいているだろうか?
この特集の初回「【神話を暴く】最強企業TSMCは『政府製』は真実か」では、シリコン・アイランド台湾の代表企業であり、今やこの国を守る盾とまで呼ばれているTSMCの成長秘話を伝えた。
しかし、台湾経済のすごさはTSMC1社だけに帰するものではない。
国の豊かさを端的に示す1人当たりGDP(国内総生産)において、台湾は今や、日本とほぼ肩を並べている(2022年の実績値)。
ドルベースの名目値だから、日本の円安が要因となっている面はある。だが日本が過去30年にわたり衰退してきた期間、台湾経済が着実に成長してきたのも事実だ。
しかもこの国は、人口わずか2300万人、国土は九州ほど。原油のような資源もない。さらに国際政治において「孤児」と呼ばれるほど、不安定な立場に立たされてきた。
そんな国が、ひたひたと成長し、今日本と肩を並べているのだ。
一体なぜこんなことが可能だったのか?
その問いに対する経済学的な見解を求めて、野村総合研究所のチーフエコノミストであるリチャード・クー氏を台北のオフィスに訪ねた。
クー氏は日本生まれの台湾系米国人で、富裕な一族として知られる鹿港の辜家の子孫。今回のテーマにはうってつけの識者である。
INDEX
  • 台湾の「危機、科学、合理」
  • ここまでやる?!新竹の驚異
  • 台湾式「嫁ブロック」の乗り越え方
  • 日本も台湾も「追われる国」
  • 台湾は「アジアのイスラエル」