テスラ充電規格、米で標準化加速 技術者団体「半年以内に」
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テスラのスーパーチャージャーがNACSという形でデファクトスタンダードとなっていく瞬間を我々は目撃しようとしているのかもしれません。
独Wiferionを買収する動きもみられますが、ワイヤレス充電になったとしても、テスラはバッテリーにとって必須の充電仕様を理解しており、ワイヤレスは外部の技術を使えば十分と判断しているからだと思います。
そして三洋電機の18650を敷き詰めたロードスターから始まるテスラのEV開発の軸はバッテリーです。
そのバッテリーは電気を化学的エネルギーとして貯めるデバイスで、材料の組成や構造を標準化することは現在に至っても定まっていません。新しい次世代電池が開発され続ける以上、バッテリーのドミナントデザインが決まることは当面無いでしょう。
そこでテスラはバッテリーの使い方に目を付けて、スーパーチャージャーの先行投資を開始したという見方が出来ます。つまり充電の方法(充電器とバッテリーの温度管理など)の標準化を狙ってスーパーチャージャーを自ら設置していったと。
放電側の標準化は、EVやESSを円筒型セルを調達しながら自ら製造することで現在も進行中。
標準化というとセルやその作り方といった要素技術を想像するかもしれませんが、テスラは使い方から見た欲しい円筒型セルを設計するという、云わばバッテリー・ファブレスを志向したことになります。ファウンドリは当時は三洋電機、今はパナソニックで、他にもLGESなどにも作らせてます。
これをリン酸鉄ではCATLに作らせつつ、テスラと共にCell to Packの設計を進めました。また円筒型のサイズアップでは18650から2170、そして4680とパナソニックと共(?)に設計しているところです。
テスラはバッテリーは内製していないにも関わらずバッテリーのデザインが出来る理由は、使い方や応用製品の観点から設計しているからと言えます。本論ではないが、Matsunagaさんの「云わばバッテリー・ファブレス」という言葉は確かに。
Appleの戦略と部分的に重なると思い、半導体もそうだが、それ以外にもファブレスであるために内部に製造技術に強い人財を大量に多く抱えている(だからファブレスでも品質を設計できる)と聞いたことがある。
完全に同じではないが、任天堂のファミコンの頃の戦略(ファブレスではあるがカセットの供給を握ることによるサプライチェーンのコントロール)とかにも似ている。日本で急速充電器を設置するには高圧電力契約が必要。この設備保守にお金がかかり、また高額な充電器本体もあって採算が取れそうもないのが実情です。
しかしテスラスーパーチャージャーは、既に高圧電力契約を済ませていそうな大型店舗の片隅に陣取っているのをしばしば見かけます。
受電コストまで見極めていたテスラと、充電器本体の設置費用を中心に考えていた日本の店舗やディーラーとの戦略戦術の違いは明らかです。