2023/6/24

【警鐘】「数字」や「根拠」に固執する問題点

NewsPicks編集部
ビジネスの現場では、「客観性」や「エビデンス」が常に求められる。
一方、客観性や数値による根拠を追い求めるあまり、何か大事なことを見落としているのではないか?
今月発売されたばかりの新書『客観性の落とし穴』(筑摩書房)は、私たちにそんな疑問を投げかける。
著者の大阪大学教授・村上靖彦氏によると、実は「客観性」という概念はここ200年で急速に発達した概念だそうだ。
週末のひとときに、「客観性信仰」が生まれた背景とその問題点についてじっくり考えてみたい。
INDEX
  • なぜか「支配者目線」の学生たち
  • なぜ「客観性偏重」は生まれたか
  • 人間が「序列化」される恐ろしさ
  • 「経験」や「語り」に注目しよう

なぜか「支配者目線」の学生たち

──「客観性の落とし穴」というタイトル通り、本書は「客観性」や「数値化」に偏重した物事の考え方に一石を投じる内容になっています。
なぜ、このテーマで本を書こうと思われたのですか?
「先生の言っていることに、客観的な妥当性はあるのですか?」
きっかけは、大学1年生向けの授業で学生からこんな質問をもらったことでした。