米インテル、ポーランド西部で工場建設へ-約6500億円投じる
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注目のコメント
今回建設する半導体組立工場は恐らくKatoさんの見立て通り後工程の工場だと思いました。
Intelは最先端プロセスの量産移管でNVIDIAやAMDの後塵を排している状況なのですが、その起死回生のチャンスとして異なる回路線幅で製造した各種半導体を1つにまとめる技術であるヘテロジニアスインテグレーション技術開発に力を入れています。
この技術の肝は正しくウェハに微細な回路を書き込む前工程ではなく、異なる機能を有する半導体チップを2次元、もしくは3次元的に実装する後工程であり、ここに力を入れるために工場を建設すると考えるのが自然かもしれません。
なお、ヘテロジニアスインテグレーションを取り巻くロジック半導体各社の動きについては下記によくまとまっておりますので、参考にしてみてください。
【参考】
AMDの猛追にもがくIntel、Coreに異種チップ集積適用で復活狙う
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/07909/Intelは、ドイツで前工程拠点に2兆円投資しているが、今回のポーランド西部は、ドイツや前工程の既存工場があるアイルランドの後工程(テスト・組立)だろう。あとはもしかするとイスラエルのもこちらに送る?
ただ、そのドイツ工場建設発表時には、イタリアに後工程という発表がされていて、ポーランドは研究開発拠点の拡充だった。イタリアとポーランド、両方にするのだろうか?
後工程の付加価値は、近年上がってきているものの、一般論としては半導体の中では人件費などが安い地域で広がりやすい。というのは、半導体は重量・体積単価が極めて高いので、エアで送るグローバルサプライチェーンを構築しやすい財だから。
なお元々Intelの後工程は、世界的にマレーシアに大部分集約していたのではないかと思う。ここは1年半ほど前に約8000億円の増強投資を発表。
一方で、Kenjiさんがコメントされているように、Intelの足元の業績はかなりキツイ。
四半期ではずっと売上200億ドル前後・粗利率50%後半・営業利益率30%前後という業績が2021年度くらいまでの状況だった。2022年から売り上げが減少傾向に転じ、直近2023年3月期は売上高117億ドル、粗利率34%、営業利益率-12%まで低下。営業CFベースでマイナスになったが、これはITバブル崩壊でも金融危機後でもなく、過去25年くらい見た中では初めて。さらに、そのなかで投資を続けていて、四半期で100億のキャッシュアウトを、過去の蓄積と債務調達で賄っている。
Intel Plans Assembly and Test Facility in Poland
https://intel.ly/43ZfZmi
米インテル、ドイツに新工場 2兆円投資、欧州製造強化へ(2022年3月)
https://newspicks.com/news/6821563
Intel Announces Initial Investment of Over €33 Billion for R&D and Manufacturing in EU
https://intel.ly/441DF9G
Intelがマレーシアに70億ドルの巨大後工程工場の建設を計画、海外報道(2021年12月)
https://newspicks.com/news/6472823