2023/6/10

【直撃】Airbnbが狙う、日本の「空き家」の可能性

NewsPicks 編集部
「コロナでは大打撃を受け、苦しいレイオフも経験したが、チャンスも明確になった」
5年ぶりに来日したAirbnb(エアビーアンドビー)の共同創業者で最高戦略責任者のネイサン・ブレチャージク氏を直撃すると、興味深いインサイトが返ってきた。
宿泊マッチングサービスを展開するAirbnbは、コロナ禍で一時期は業績が大きく低迷したが、その後復活し、現在は世界的な観光需要の回復の追い風を受けて拡大している。
ネイサン氏は日本の「空き家」に大きな可能性を感じているという。
日本には1000万戸以上の空き家が存在すると言われているが、Airbnbはいったいどこにポテンシャルを見いだしているのだろうか。また、空き家の利用がAirbnbの価値とどうつながるのか。
コロナにIPO、レイオフを経たAirbnbの現在地から、日本市場への期待、そして将来のビジョンを語ってもらった。
INDEX
  • コロナ後の現在地
  • インフレでも1泊「67ドル」
  • 日本の「空き家」がすごい
  • SNS時代の旅トレンド
  • 苦しいレイオフで気づいたこと

コロナ後の現在地

──コロナ禍の数年を振り返って、旅行業界に起きた変化とAirbnbの現在地を教えてください。
ネイサン 新型コロナが流行り始めた直後、観光業界は壊滅的でした。しかし感染が落ち着いてくると、多くの人が都会から出て地方の田舎に行くようになりました。
飛行機には乗れず、海外にも行けなかったため、車で行ける近くの観光地に人が集まったのです。
すると今度は、リモートワークが浸透していき、長期滞在が急激に増えていきました。一時は全予約の20%以上が長期滞在となり、コロナで最も成長した旅行カテゴリーとなりました。