2023/5/17

【任天堂の大株主】サウジが「日本を買った」切実な理由

NewsPicks 副編集長
任天堂といえば、日本を代表する優良企業のひとつである。
足元の業績は、家庭用ゲーム機「スイッチ」の販売下振れで連続減益中とさえない。
それでも営業利益率30%超という高収益性、そして無借金の好財務体質は、次の成長投資をする十分な余裕をこの会社に確保している。
マリオを筆頭にした数々のIP(知的財産権)パワーも、この企業が持つ圧倒的な経営資源だ。それが7.6兆円という時価総額(5月16日現在で国内15位)に反映されている。
(写真:Stanislav Kogiku/SOPA Images/LightRocket via Getty Images)
この任天堂を直近で、猛烈に買い増している海外投資家がいる。保有比率は今や8%超に達した。
一体何者か?
その正体は、中東サウジアラビアの巨大な政府系ファンドである。
任天堂を買うオイルマネーがあること自体は、多くのメディアで既報ではある。だがその実態は、思いのほか伝えられていない。
そこでNewsPicksは、この中東ファンドの実態に迫った。そこには、日本と世界を取り巻くマネーの流れが透けて見えている。
INDEX
  • ソフトバンクに4.7兆円
  • GAFAから日本のエンタメ銘柄へ
  • 原油高で運用規模3倍
  • PIFは35%、GPIFは1%
  • 7割は自国に投資
  • 「原油依存から脱却したい」
  • アフリカも続々ファンドを設立