AI創薬が開く数兆円規模の商機、武田など世界の製薬大手が投資拡大
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データマイニングはAIの得意分野ですから、あまり驚きはありません。弁護士がどの判例を使うかを判断するのにAIを活用するのと同じイメージです。
創薬だけでなく、がん遺伝子の研究など、様々なジャンルで何年も前からAIは活用されており、その精度はどんどん上がっているのでしょう。なので、AIを使って開発された初めての医学品であるということは意外でした。
計算機の時点で人類は一部の能力で機械に負けていますし、勝てない領域がどんどん拡大しているという事ですね。
AIを活用できない人材、企業は今後どんどん置いていかれそうです。「AI創薬に乞うご期待」ということで、私が評議員の末席にいる情報計算化学生物学会(皆さん「CBI学会」と呼んでいます)では、以前からAI創薬に取り組んでいました。大会テーマに2018年から「AI創薬」がでてきますし、2014年からは、「データ駆動型」という言葉があることが証明しています。また、実はもっと以前からこちらの分野に取り組んでいたのです。
https://cbi-society.org/home/annual.html
CBI学会は、1981年に計算機と化学・生物学の会として設立され、2000年から学会となりました。
https://cbi-society.org/home/about_mission.html
現在、法人賛助会員には新薬を開発する主要な国内製薬会社のほぼ全て、富士通や海外ソフトウェアベンダーの日本法人および代理店がならび、最近、日本のユニコーンの雄であるPreferred Networksが加わりました。
https://cbi-society.org/home/about_org.html#houjin
ご興味のある方は、今年の大会(10月23-26日)に参加してみることをお勧めします。
https://www.cbi-society.jp/annual-meetings/2023/
参加登録は6月1日からで、9月30日まで早期割引で申し込めます。昨年のstateof.aiレポートでは、AIを主要技術として見つかった20近い新薬候補がすでに臨床試験に入っているという調査が出ていました。2020年はゼロでした。
創薬におけるAIの利用にもいろいろな側面がありますが、細胞や動物を使った実験をしなくても、特定の化合物が体内でどのような反応をするのか(病気に効果があるのか、毒性があるのか、など)を予測することができ、激劇に候補選別の時間を短縮できるというのが一つの利点です。
そのためには過去に行われた実験結果を使って、質の高いAI予測モデルを構築する必要があります。また、このような計算は対象の候補が複雑になると(例えば抗体などの高分子)計算量が増えるため、データ量、モデルの複雑さと合わせて、チャレンジも大きくなります。
この他にも創薬におけるAI活用は臨床試験にも及びます。例えばコロナワクチンの臨床試験においては、AIモデルを使って、対象地域の感染者数や発症者数をより精度高く予測することによって、ワクチンの効果をより正確に推定し、臨床試験の時間を早めた、などの実績があります。