米国初の大型EV電池工場、パナソニックの教訓
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「アジア製の機械を効率的に扱うには、米国人労働者の手が大き過ぎることに時として驚かされたと明かした上で、「冗談のようだが、こうしたことが初期段階ではたくさんあった」と語った。」デジタルは重要ですが、現場の持つ価値を過小評価してはならないエピソード。最近、確かスペインでは新型鉄道車両を使って動かしたら、トンネルに入れないというニュースがありました。
他社に先駆けて、米国でテスラ向けの巨大電池工場を建設したパナソニック。2015年に工場建設に着手し、四半期ベースの利益が出たのは2019年末。規模の大きさもあり、利益を生むまで時間がかかりました。米国の「インフレ抑止法」によって、他社の追随が進む中、パナソニックは先行者利益を獲得できるのでしょうか。
日本でも国内回帰の流れで、半導体をはじめ、国内投資が進んでいます。一方で、技術者不足や人材育成が課題となっています。一度、産業がなくなると、挽回するのは大変です。パナソニックの米国工場も、その問題に直面したようです。
パナソニックはネバダ州に続き、カンザス州での工場建設を計画しています。競争が激しくなる中で、新工場では、前回の知見を活かして早期に利益を出すことが求められます。旧三洋電機では用途全方位の電池戦略を採ってましたが、テスラとタッグを組む形にしたのはパナソニックになってから。
その理由の1つに挙げられるのがテスラの電池の買取契約ですが、未だにその話は記事になっているのを見たことがありません。電池製造上も魅力的に映った契約ですが、結局は設備償却費が嵩んで黒字化が遅れました。
電池事業のモデルを構築する意味でも最初が肝心でしたが、これを学びで終わらせてしまって良いのかは電池ビジネスの根幹にメスは入れないとも解釈出来そうです。