【告白】フィリピンの「ネット掃除人」が明かすSNSの裏側
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テック産業の従業員、というには、あまりにもアナログの人海戦術ですが、アマゾンが巨大倉庫の従業員たちによって維持されている企業であるように、元より人海戦術頼みの企業はたくさんあります。
GAFAMの最大の下請け国はインドですが、インド以外でも、ネット産業の興隆は、世界中で様々な新産業を生み出してきました。
北マケドニアにフェイクニュースを量産する工場があったり、ナイジェリア発のスパイとのロマンスなどを演出して振り込ませる詐欺や、アマゾンのレビューをひたすら書く仕事などに、世界中で何百万人もが従事するようになりました。
AIを開発するまでもなく、安く雇える「IT人材」は、まだまだ世界中にたくさんいます。
「コンテンツモデレーター」こと削除人の仕事は、日本人向けの「アジア転職」の世界では、コールセンターと並んで、少なからぬ求人が出ています。
「アメリカIT産業のBPO企業」の仕事として、フィリピンやマレーシアでの求人が出ていて、行ってみるとこの仕事だったりします。「ネット掃除人」の人たちが劣悪な環境で働いている──。
この話が明るみに出たのは2019年あたりです。アメリカで働いているコンテンツモデレーターが
自分たちの仕事について、またその環境について裁判を起こしたことで明らかになりました。
その後、アメリカでは対策がとられるようになり、休憩時間を確保したり、メンタルヘルスプログラムが導入されたりと
進展が見られました。
ところが、ケニアにおいてフェイスブックが劣悪な環境で働かせているとして、2022年に訴訟が起きました。
アメリカ国外で初めて起きた裁判、この訴えがどうなるのかということに合わせ、これが本当であるならば
フェイスブックはこれまでの裁判から学んでいないのかったということなのでしょうか。
テック企業のリストラだ、業績が悪化だという裏で、
こういった見えざる人たちへの配慮や手当が削られることが起きているのであれば、なんとも皮肉な感じがしてしまうのです。SNSのNG投稿を人手でチェックする「コンテンツモデレーション」のリアルな現場でまじ壮絶
フィリピンの成長産業BPO、というと素敵な響きですが、AIのフィルターで濃縮された人の悪意と汚い部分を見続ける、というのはなかなかつらい仕事
SNSを運営するためにはついて回るこの仕事、それが義務なのかは昨日の記事の通りまさに今争われているところですが、自主的にでもやらないといけないからこそ特集タイトルの「不都合な裏側」というのはいい得て妙ですね