2023/2/8

【爆速】カインズが1年半、本気で組織変革をした

コンサルティングファーム
人事はマーケティング──
「配属ガチャ」に「玉突き人事」の連続で、人が持つ意欲や才能が眠ってしまうニッポン特有の雇用慣行。
国際的に給料も安い今、才能と意欲ある人材が海外に流出する危機にある。
ただ実際、本当に変わることができるのか?コメント欄では「日本企業の古いOSが生まれ変わるには10年かかる」という声もいただいた。
それに対する答えは「そんなことはない」ということだ。日本企業にだって希望があるはずだ。
そこで第3回の今回は、レガシーな組織構造からわずか1年で一気に転換し、組織変革を爆速で推し進めているカインズを紹介する。
カインズはご存じの通り、ホームセンター市場で業績1位の会社だ。
ただそんなカインズも、元々は効率重視のため、強烈な上意下達。配属ガチャや玉突き人事が当たり前の組織だった。
この既存の組織構造を変革するべく立ち上がったのが、CHRO(最高人事責任者)の西田政之氏だ。
西田CHROは2021年6月に同職に就任してから、驚くべきスピードで「DIY HR」という新たな人事戦略を実行。
2022年には、HRアワード2022の企業人事部門で最優秀賞を受賞した。
専門業者の手を借りずに自ら家具を組み立てる「DIY(Do It Yourself)」。人事のDIYに秘訣はあるのか。ここまでの組織変革を遂げられたのはなぜなのか。
組織改革の「請負人」、西田氏から語られる人事戦略には、多くの日本企業にとってのヒントばかりであった・・・
INDEX
  • 上意下達の文化からの脱却
  • 人事はマーケティング
  • 「アート」と「サイエンス」
  • 最先端の学びで覚醒
  • 1on1で“マブダチ”になる
  • 自律“連携”型組織へ

上意下達の文化からの脱却

──西田さんはCRHOに就任して以来、「DIY HR」という大規模な組織変革を行っていますが、どのように発案したのですか。
西田:人事戦略は経営戦略や商品サービス、マーケティングといったものと一貫性がなくてはならないと思っていました。
ではカインズの底流に流れるものは何かなと思い、就任最初の2カ月間、店舗に行ってはたと気づいたわけです。
店舗の中を見渡すと「DIY」にあふれているんですよ。
これを見つけた時に、ほぼ勝ち筋が見えたなと正直思いました。この戦略の一貫性は「DIY」にあるんだと。
そして人事戦略ストーリーというのを5分間くらいで書きました。