2023/2/4

【決算解説】巨人グーグルの曲がり角、広告&AIに逆風直撃

NewsPicks 編集部 記者
広告不況が止まらない。
グーグルの持株会社、アルファベットが2月2日に発表した2022年本決算は、売上高が前年比10%増の2828億ドル(約36.3兆円)、純利益は21%減の599億ドル(約7.7兆円)となった。
売上高は年間を通してクラウド事業の成長が貢献したが、夏以降、インターネット広告事業に急ブレーキがかかったことで成長が鈍化。
純利益は、年間で3万人超という人員増などが影響し、減益となった。
頼みの広告事業は、景気の先行きを懸念する広告主の出稿が停滞し、逆風が吹く。
コストカットも本格化しており、1月には全世界で約1万2000人の解雇を発表したばかりだ。
さらに、グーグルの代名詞ともいえる検索エンジンの圧倒的地位を揺るがすライバルの存在も気がかりだ。
「デジタルの支出が急激に加速したコロナ禍を経て、経済環境は明らかに厳しくなっている」
アルファベットとグーグルのCEOを務めるスンダー・ピチャイ氏は、決算会見でそう吐露した。
向かうところ敵なし、とも思えたグーグルは今、大きな岐路に立たされている。決算をひもときながら、グーグルの現状を見ていこう。
INDEX
  • 広告事業がついにマイナス成長に
  • YouTubeは「ショート動画」で挽回へ
  • クラウドの黒字化に自信
  • グーグルを焦らすAI戦争

広告事業がついにマイナス成長に