2023/1/23

【舞台裏】ABEMAと藤田晋、「W杯大成功」に抱く危機感

NewsPicks 副編集長
サーバーが落ちませんように──。
2022年12月6日未明。サッカーW杯カタール大会、日本対クロアチア戦が行われている、まさにその時。サイバーエージェント社長の藤田晋は、自宅からパジャマ姿で画面を見つめていた。
藤田が注視していたのは、試合の展開ではなく無料生中継したインターネットテレビ局「ABEMA」の視聴者数。
2000万人を超える視聴者が殺到し、サーバーダウンを避けるため、異例の「入場制限」まで行われたからだ。
結果、無事に配信を終え、日本代表はPK戦で敗れたものの、サイバーにとっては大成功のW杯に。アベマでサッカーを見ることが、社会現象となった。
2016年にサイバーエージェントとテレビ朝日の合弁で開局したアベマ(当初のサービス名は「AbemaTV」)。注目度は、かつてないほど高まっている。
しかし、関係者への取材によると、藤田をはじめ社内には、「W杯後」への強烈な危機感が広がっているという。
今、アベマで何が起きているのか。
※敬称略
INDEX
  • W杯の「大成功」は序章
  • 成功の裏に「テレ朝」の技術
  • スペイン戦勝利には複雑な心情
  • 営業代行からメディア界へ
  • 亀田、元SMAP、緊急ニュース
  • 「広告と課金だけ」ではダメ
  • 祭りの「受け皿」をつくれるか

W杯の「大成功」は序章

「疲れている中で申し訳ないけれど、言わないといけないことがある。ヒットは地獄の始まり。来年が正念場だ」