[ベルリン 13日 ロイター] - 米電気自動車(EV)大手テスラが世界的に販売価格を最大20%引き下げた。値下げは中国などアジアに続き、米国や欧州、中東、アフリカでも実施された。

昨年はおおむねEVの需要は旺盛、平均販価も上昇基調だったが、テスラの年間の販売伸び率は目標に届かず、第4・四半期の販売はアナリスト予想を下回った。

米株式市場午前の取引でテスラの株価は5%超下落した。

テスラにとって最大の市場である米国では、現地時間12日夜にウェブサイトに掲載された情報に基づくロイターの計算で「モデル3」 と「モデルY」を6%から20%値下げした。これは、1月初旬に多くのEVモデルに適用された7500ドルの連邦税控除を考慮する前の数字。

モデルYのロングレンジモデルは、今月導入された控除措置と組み合わせると値下げ率は31%になる。

欧州では、ドイツで「モデル3」 と「モデルY」の価格を仕様次第で約1─17%下げたほか、オーストリア、スイス、フランスでも値下げした。

同社ドイツ法人の広報担当者は13日の声明で、値下げについて「サプライチェーンが混乱した激動の1年の最後に当社はコスト上昇を部分的に正常化できたため、顧客にその分を還元できると判断した」と説明した。

テスラは先週、中国、日本、韓国などのアジア市場で値下げを実施した。米国に次ぐ第2の市場である中国では、10月の値下げと販売奨励措置による値引き分を合わせると、価格は9月以降13─24%程度下がった。

マスク最高経営責任者(CEO)は先月、「急激な金利の変動」で業界の見通しが変わったと指摘。テスラが販売の伸びを維持するために価格を引き下げる可能性があると述べている。

米国では在庫が積み上がり、ウェブサイトでは即納車可能と表示されていた。中古車の価格も下落傾向にあった。

テスラの投資家、ゲリー・ブラック氏は「今回の措置は23年の(テスラの)販売を押し上げるだろう。正しい動きだ」とツイッターに投稿した。