2023/1/11

【直撃】MUJIアパレルのトップが語る「V字回復への道筋」

NewsPicks 記者
2022年8月期では、増収も減益という利益面での課題が顕在化した良品計画
中でも衣服雑貨は、既存直営店売り上げで前年比99.9%。生活雑貨、食品がプラスだったのに対して、衣服雑貨が足を引っ張った形となった。
無印良品の売り上げの3分の1強を占める衣服雑貨は、過去に無印の業績が悪化した局面でも不振が目立っていた。
単価が比較的高いこの分野が復調すれば、利益面でも大きなプラスになる。
実際のところ、1月6日に開催された2023年第1四半期の決算説明会では、「全般的にじわっと底上げされている」と堂前宣夫社長が言うように、2022年9月から11月の売り上げは前年と比較して、0.4%増とわずかだが回復の兆しは見えている。
無印は、どのようにして不振の衣服雑貨を立て直そうとしているのか。
今回NewsPicksは、衣服雑貨のトップとして現場で改革を進めている岡崎令上席執行役員を直撃した。
岡崎氏は、2010年から2015年にかけても衣服雑貨のトップをつとめ、低迷していた同部門を立て直した人物だ。
2021年9月、6年ぶりに再登板を果たしたキーマンの「頭の中」をのぞいてみよう。
INDEX
  • ジェンダーレスがウケなかった理由
  • 「定番品」を見つめ直す
  • 「3つのわけ」に立ち返る
  • 「MUJIっぽい」はNGワード

ジェンダーレスがウケなかった理由

──現在、復調気配にあるMUJIのアパレルですが、具体的な改革の中身を教えてください。
岡崎 説明が難しいのですが、奇をてらったことをしたわけではなく、普通の服を作っています。
ここ数年間のMUJIは、特定の無印良品の大ファンに向けたニッチな服を作っていて、それ以外の多くの方々に買ってもらえるような服作りをしていなかったというのが私の認識です。
そんな状況から、「普通の服」を必要としている人たちに届く服を作るべく、軌道修正を行ってきました。その商品が世に出始めたのが、今季の秋冬シーズンなのです。
──無印良品の衣服というと、比較的セクシュアルさを抑えたデザインの服というイメージがあります。
岡崎 売り上げの不振を招いた象徴的な戦略の一つが、ジェンダーレスウェアでした。